<東都大学野球:青学大1-0東洋大>◇第7週最終日◇19日◇神宮

 青学大が首位東洋大に連勝し、勝ち点3で並んだ。3回に内藤大樹外野手(3年=千葉経大付)の本塁打で先制すると、4投手をリレーして最後は切り札斎藤英輔投手(2年=青森山田)を投入して逃げ切った。優勝争いは東洋大と青学大に絞られ、24日からの最終週で決まる。亜大も4投手の継投で駒大に連勝し、勝ち点2とした。駒大はこの日の敗戦で優勝の可能性が消えた。

 斎藤が投じた150キロの速球が外角いっぱいを突いた。9回1死満塁。打者森椋へ、2ストライク後の4球目だった。「ボール」の判定に斎藤は天を仰いだ。「絶対にストライク。でももう1回、といい聞かせました」。マウンドを降り、目をつぶって切り替えた。ここから連続三振。最後は151キロだった。「コースより勢いで殺そうと、気持ちを込めて投げました」。

 前日に続く1点差の逃げ切り勝ち。開幕3連敗から一転、6連勝して優勝争いに浮上した。河原井正雄監督(56)は「開幕のころはチームができてなかった」と振り返る。震災後は練習を自粛し、オープン戦も組めなかった。一方で授業は通常通り4月に始まった。節電対策もあって、練習は今も午前5時半開始だ。価値ある1発を放った内藤は「4時半起きです」と言って笑う。

 そんな練習にも慣れ、やっと本領を発揮してきた。河原井監督は「打てないですが、やっと投手がね」と話す。しかし、優勝争いには「これで最下位が消えただけ。ウチはとても」と人ごとだ。しかし、選手たちは逆転を狙っている。防御率1位(0・50)の斎藤も「疲れはないです。次が楽しみです」と言い切った。【米谷輝昭】