<東都大学野球:日大3-0中大>◇第2週最終日◇15日◇神宮

 日大が中大を破り、2勝1敗として初の勝ち点を挙げた。3連投となった吉田一将投手(4年=青森山田)がコーナーを丹念に突く投球で3安打の完封。打線は3回、中大・島袋洋奨投手(1年=興南)の失策に乗じ1点を先制、8回には3連打して2点を加えて勝負を決めた。日大の勝ち点は08年秋の東洋大戦以来。島袋は10三振を奪いながら、打線の援護もなく2敗目を喫した。

 5回以降は安打を許さなかった。最速144キロながら内外角を丁寧につき被安打は3本。日大のエース吉田一は、危なげない投球で初の勝ち点をもたらした。「昨日ダメだった分、やってやろうと思った」。3連投での完封をこう語った。

 前日(14日)は1点リードの9回に登板した。ところが、勝利まで1人としながら適時打を浴び、追いつかれた。リベンジへ工夫があった。投球前にあえて球を持つ時間を長くし、また走者なしでもクイックで投げる場面があった。「タイミングを外そうと」と説明した。残暑の中での3連投。ベンチに戻るや氷袋を持ち出し、首筋や太ももに当てた。水分補給も忘れなかった。

 中大・島袋との再戦も頭にあった。「いい投手は分かっている。我慢の試合だったです」。1週あいて、次は春の覇者東洋大が相手だ。「日本一チームとやるのは楽しみ。自分の力をぶつけます」。頼もしいエースが前を向いた。