<首都大学野球:東海大6-0帝京大>◇第4週初日◇1日◇平塚

 巨人がドラフト1位指名を表明している157キロ右腕、東海大・菅野智之投手(4年=東海大相模)が帝京大を4安打完封し、通算14完封のリーグ新記録を樹立した。直球狙いの相手を“新球”シュートなど変化球でかわし、前週の武蔵大戦から2試合連続の12奪三振完封。通算35勝はリーグ単独4位となった。

 菅野がまたもリーグ史に名を刻んだ。帝京大を4安打に抑え、通算14完封のリーグ新記録を樹立。「昨日から意識してました。自分が投げれば勝ち試合と思って投げてます」。今年に入り更新したリーグ記録は、最多連続イニング無失点53回、シーズン5完封に続き3つ目となった。

 今季最速の149キロを記録し、3回1死三塁のピンチは冷静に併殺(三振、三塁走者が飛び出し挟殺)。7人並ぶ右打者の外角をカットボールで攻め、“涌井シュート”で内角をえぐった。これは前週の武蔵大戦後、遊撃・田中の寮の部屋で見たプロ選手の投球解説本に載っていたもの。「西武の涌井さんってシュート投げるんだ。じゃあ投げてみよう」と、ツーシームの握りを応用。実戦初試投で操るセンスの高さを見せつけた。

 ネット裏では5球団のスカウトが視察。巨人長谷川スカウトが「あのシュートは武器になる」と言えば、西武奥園編成部部長は「27球で終わらせるのが投手の理想。変化球で打たせるのは進歩」と褒めた。2季ぶりの優勝へチームは5連勝。それでも「ノーヒットノーランとか完全試合とか、まだやり残したことがあります」とどこまでも高みを目指す。【鎌田良美】