<北海道6大学野球:苫小牧駒大5-4旭川大>◇25日◇第5節最終日◇苫小牧市営緑ケ丘

 創部16年目の苫小牧駒大が旭川大に勝ち、7勝で並んでいた東農大北海道が敗れたため、リーグ初制覇が決まった。東農大北海道戦を見守ったバックネット裏のスタンドで、雄たけびを上げ抱き合った。野沢尚三塁手(4年=駒大苫小牧)は「自分たちが歴史をつくった」と感慨深げだった。

 最終戦は同点に追いついた7回表1死満塁、5番近江洋紀右翼手(4年=札幌日大)の適時打で勝ち越し。最大3点差からの逆転勝ちに「みんながつないでくれた一打」。投げては5勝のエース吉岡慎平(4年=札幌日大)が8回から2回無失点で締めた。右肘手術を経て、最大の原動力となった。

 リーグ参入の99年春、2部を7戦全勝で1部昇格。創部当時から指揮を執る大滝敏之監督(60)は「最初はすぐ1部に来てやっぱり自分は持ってるなと思っていたが、なかなかうまくいかなくて」。08年春など3度、優勝決定戦に進んだが、もう1歩届かなかった。系列の駒大苫小牧から甲子園Vメンバーが入学するなど選手の能力は高かったが、結果は出なかった。

 複数いたコーチが2年前から不在となり、指導は大滝監督1人となった。昨年12月に元部員が起こした不祥事で2カ月間の活動休止もあった。“がけっぷち”でつかんだ初の全日本大学選手権(6月10日開幕、東京・神宮ほか)では、10日の初戦で愛知学院大(愛知連盟)と対戦。飯田篤史主将(4年=駒大苫小牧)は「僕たちは初出場なので背負うものは何もない。負けたチームの分まで」と力を込めた。【保坂果那】

 ◆苫小牧駒大

 1965年(昭40)、前身の苫小牧駒沢短大として創立。98年、4年制大学として開学。野球部は98年に同好会が発足し、翌99年から部となった。現部員37人。OBには06年育成ドラフトで巨人6巡目指名の作田啓一外野手がいる。