今秋ドラフトの目玉、東洋大・藤岡貴裕投手(3年=桐生一)が“山の神”超えを目指す。5日、埼玉・川越市の同校でチーム初練習を行い、キャッチボールなど軽めのメニューで始動。2、3日の箱根駅伝で3年連続5区区間賞に輝いた柏原竜二を引き合いに「柏原くらい有名になれればいいですね」とドラフトイヤーの飛躍を誓った。

 最速150キロ左腕は、アマチュア球界屈指の逸材。だが全国的な知名度は、大学の同期生である柏原の方が上だ。「テレビで見ました。陸上部も頑張ってるなと」。陸上部は寮が隣接、柏原とはグラウンドですれ違うこともある。競技が違うため強く意識はしないというが、同じエースの激走に刺激を受けた。

 この日の午前中は、藤岡が授業でいないにもかかわらず8球団11人のプロスカウトが集結。西武は鈴木編成部長ら3人、ロッテも2人態勢という熱の入れようで、高橋昭雄監督(62)は「こんなに来たのは初めてだよ」と改めて注目度の高さに驚いた。藤岡も「8球団も?

 来て下さってうれしいです」と喜んだ。

 昨年の東都リーグは通算12勝3敗。年末年始も走り込みなどトレーニングを続けた。「正月に体重が1キロ増えちゃったけど、想定内。目標は春秋全国大会優勝で、自分が投げた試合は負けない」。11年は無敵の柏原に負けじと、無敗の藤岡を全国にアピールする。【鎌田良美】