楽天のドラフト1位指名候補に、大阪ガス・松永昂大投手(24)が急浮上した。編成担当者から報告を受けた星野監督が20日、「俺が(映像を)見た中では松永が一番いい」と自ら名前を挙げた。同社野球部は8月に部員とOBの不祥事が判明。日本選手権の出場を辞退した。そのため、松永は自主練習のみという状況におかれているが、星野監督は「関係ない。今年の即戦力は投手しかいない」と断言。実戦から離れていても問題なしと評価した。

 松永は最速151キロを誇る左腕。球の出どころが見にくい投球フォームで、関西国際大で通算23勝を残した。大阪ガスに進み、今夏はパナソニックの補強選手として都市対抗に出場した。球団関係者も「中継ぎとして1軍に入れる力がある」と評価する。何より、補強ポイントに合致する。今季、安定した成績を残した中継ぎ左腕はハウザーだけだった。シーズン終盤は先発の塩見を中継ぎに回し、しのいだほどで、左腕獲得が不可欠となっている。

 楽天は東海大・菅野、亜大・東浜、大阪桐蔭・藤浪、花巻東・大谷も高く評価する。松永を加えた5人を、投手の1位指名候補に残している。25日のドラフト直前まで、熟考を続ける。

 ◆松永昂大(まつなが・たかひろ)1988年(昭63)4月16日生まれ。香川県出身。高松商から関西国際大に進み、1年春から登板。3年春、秋と2季連続でリーグ最優秀選手に選ばれた。11年から大阪ガス。175センチ、76キロ。左投げ左打ち。