阪神が九州共立大・大瀬良大地投手(4年=長崎日大)を1位指名することが22日、決定的となった。ドラフト会議を2日後に控えたこの日、高野本部長、中村GMが坂井オーナーにここまでのドラフト戦略の報告と最終確認を行った。

 当初は高校生の大阪桐蔭・森、桐光学園・松井らが最有力候補に挙がっていたが、夏以降、即戦力投手を最優先するという方針が決まった。社会人NO・1右腕と言われる吉田と、大学NO・1右腕と称される大瀬良の2人に絞っていたが、最終的に大瀬良に一本化された。

 球団関係者は「2人とも即戦力だが、タイプが違う。吉田は制球に安定感があるし、すぐに先発ローテーションで回れる完成品。大瀬良はパワーで勝負できるタイプで、この先、さらに伸びしろも期待できる」と、大瀬良と吉田の違いをこう語った。確かに現状の先発陣の中でパワーピッチャーと言えるのはメッセンジャーと、藤浪くらいしか見当たらない。現場スカウトの間では吉田を評価する声の方が多かったというが、先発陣にパワーピッチャーが少ないという点、さらに、年齢的な伸びしろも考慮した上で最終的に大瀬良を指名する判断に至った模様だ。

 大瀬良は長崎日大3年夏の県大会で清峰・今村(現広島)に3-1で投げ勝ち、甲子園出場を果たした。甲子園では花巻東・菊池(現西武)と投げ合って、5-8で敗れたが、当時からプロ注目の投手だった。九州共立大では体力強化の末に体重20キロ増加に成功し、今秋には最速153キロをマークした。打者を力でねじ伏せる直球が最大の武器で、大学日本代表にも選ばれている。

 今日23日には南球団社長も東京入り。高野本部長、中村GM、現場スカウトらと最終会議を行い、正式決定される見込みだ。紆余(うよ)曲折を経た阪神のドラフト1位がついに決着をみる。