「三種の神器」で有原獲りじゃ~!

 ドラフト会議が今日23日、東京都内で行われる。広島は22日、東京都内でスカウト会議を開いた。予定通りに地元出身の早大・有原航平投手(4年=広陵)の1位指名を再確認。今ドラフトの目玉は複数球団による競合が確実。くじを引く有原担当の尾形佳紀スカウト(36)は「赤パン」「数珠」「マエケンネックレス」を身につけ、必勝を期すことになりそうだ。

 何を今更、ということだ。東京都内の超高級ホテル。その一室で約2時間のスカウト会議を終えた松田オーナーは、言い切った。「1位を変えるわけがない」。10月10日、12球団最速で有原1位指名を公表した。あれから12日、ドラフト前最後の会議でも当然、1位有原の方針にブレはなかった。

 地元広島出身の156キロ右腕。喉から手が出るほど欲しい逸材は、今ドラフトの目玉でもある。複数球団による競合は必至だ。昨秋ドラフトでは田村スカウトが赤パンをはいてクジを引き、3球団競合の大瀬良を引き当てた。1年前の流れをくみ、今回は有原担当の尾形スカウトが勝負の一手をかける予定だ。クジ運については「良くないです…」とポツリ。「いろんなシミュレーションをやってきて、眠れない日もあった。僕だって緊張しますよ」。そんな尾形スカウトに「三種の神器」が贈られることになりそうだ。

 まずは緒方孝市新監督(45)からの数珠だ。「オレの数珠を渡すよ。よく効くから」。指揮官からのプレゼントだけではない。松田オーナーから「買ってこい」と指令を受け、すでに赤パンを購入済み。尾形スカウトに加え、田村スカウトまで1年前に装着した赤パンを再び身につける念の入れようだ。さらに苑田スカウト統括部長は「マエケンパワーをね」とニッコリ。エース前田が愛用する背番号18が刻まれたネックレスを授ける予定。上から下まで気合十分で、必勝を期す。

 指揮官は「パワーを送っておいたよ」と期待する。もし有原を逃し、外れ1位でも競合した場合は緒方監督にクジ引きの役を交代する方向。大学1年時から密着マークしてきた思いを、一発勝負の手に込める。「あとは迷わず引くだけです」。人事を尽くして天命を待つ。【佐井陽介】