うれしすぎてサインできなかった~。

 ソフトバンク甲藤啓介投手(27)が3日、大幅3600万円増の年俸4500万円提示に、興奮しすぎて思わず保留してしまった。

 今季65試合に登板。勝利の方程式「SBM」へつなぐ中継ぎとして大車輪の活躍だった自負はある。だが、想像以上に球団の評価は高く今季900万円から5倍増。うれしさの余り冷静に交渉できなかった。

 「保留しました。すいません!

 びっくりする金額だった。2度見してしまった。もう1度、考えさせてほしいということです」。

 更改前には「数字に表れない部分なんでそこは見てほしい」とブルペンで肩をつくる負担も査定に反映してほしいと訴えていた。だが、評価は予想をはるかに上回った。昨オフは新人摂津が70試合に登板し3800万円増の5000万円で更改した。それに匹敵する好評価を目の当たりに、なぜか戸惑ってしまった。

 「何でサインしなかったんですかね。もっと冷静になれたら良かったんですけど。納得してますよ」。

 次回の交渉は11日に予定されており、その場で契約を更改するのは確実。小林至取締役(42)は「本人から『上がりすぎてびっくりした』という言葉はもらいました」と冷静に受け流した。

 今オフから導入された新査定に各選手から不安の声が上がっている。甲藤は「すごく分かりやすかったですよ。アップした額で特に買い物は考えていません。自分は大殺界の年ですから」と舌も滑らか。予期せぬ保留第1号となったが、まるで一発サインしたような喜びの声が続いた。