背水のハワイ!

 ソフトバンク新垣渚投手(30)が自身初の海外自主トレを検討していることを明かした。減額制限いっぱいの25%ダウンとなる推定4800万円で契約更改。右肩痛などの影響で1軍未登板に終わった右腕は勝負の来季に向けて春季キャンプ前の投げ込みを決意。候補地を絞り込み中だが、例年行う沖縄より温暖なハワイで自主トレを行うことが有力だ。

 振り返りたくもないシーズンをさておき、前だけを向いた。8年目で初の1軍未登板。減額制限いっぱいの1600万減でサインした新垣が、背水のシーズンに並々ならぬ意気込みだ。

 「何もやってないんで仕方ない。来年のキャンプに向けて、全力でやるだけ。来年は何が何でもやってやろうという気持ち。やるしかない」

 来年1月の自主トレを、初めて海外で行う見込みだ。現在複数の候補地から選定中で、関係者と詰めの作業を行っている。最有力はハワイで「暖かいところでやりたい気持ちはある」。これまでは地元沖縄で行うことが多かった。さらに温暖な気候のもとで、肩への負担を減らしながら投げ込みを行う考えだ。

 例年通り下半身強化なども行うが、今回は投げ込みを重視する。11月には、秋キャンプでは自身初の投げ込みを敢行。秋山監督から「キャンプMVP」に選ばれた。「キャンプの後半はいい感触があった」。いいイメージを肩に染みこませるためにも、来春キャンプへ向けて投げ込みを継続していく。

 最近3年間でわずか4勝。04年から3年連続で2ケタ勝利をマークしたが、いつしか同い年の杉内、和田との差は開いた。「入団した時からその2人と競いあってきた。中に入れなかったことが悔しい」。午前中に契約更改を終えると、帰宅後すぐに球場に戻り、約4時間のトレーニングを行った。再び「右のエース」と呼ばれるため-。新垣が覚悟を決めている。