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４回裏無死一塁、城島が右前安打を放つ

＜ＷＢＣ・強化試合：日本８－２オーストラリア＞◇２４日◇京セラドーム大阪

　第２回ワールド・ベースボール・クラシック（ＷＢＣ）で世界一連覇を狙う日本代表が、オーストラリア代表と初の国際試合を行い８－２で勝った。原辰徳監督（５０）が誇る「サムライ３分割打線」は絶好調。ノーサインでも各打者がつなぐ意識で１０安打、積極的走塁に４犠飛で得点を重ねた。練習試合から３試合連続２ケタ安打だ。

　心がつながっているから、打線も切れない。初の国際試合は１０安打８得点で快勝。２１、２２日の巨人練習試合を合わせた３試合で、ついに３６安打３１点となった。

　シーン（１）（２点リードの４回、下位打線のメジャーリーガー３人で１点）　先頭の７番福留が四球で出塁すると、８番城島が初球の外角１３７キロを右前にはじき返した。「外に来たから逆らわずに打ち返しただけ」。左腕投手を打ち崩すお手本の打撃を城島が見せると、走者福留が快足を飛ばし一、三塁をつくった。９番岩村は「外野フライを打つ基本は反対方向に流すこと。最低限の仕事です」。初球１３９キロを逆らわずに左犠飛を打ち上げて１点をもぎ取った。

　シーン（２）（１点リードの３回１死、小技のできる４番打者の冷静な状況判断）　３番イチローが二塁内野安打で出塁。続く４番稲葉は冷静に内野の守備隊形を確認した。二塁手の深い守備位置から、右に引っ張れば併殺打はない。引っ張ると一、二塁間を破る右前打。イチローが軽々と三塁に到達し、やはり一、三塁を導きだした。

　稲葉　イチロー君がいつ走るだろうかと考えていたら２ストライクと追い込まれたのでつないでいこうと意識が強くなりました。

　２５日のオーストラリア２連戦までは、攻撃でベンチからのサインは一切行われない。各自が進塁打を意識し、自然な形でつながりを念頭にする攻撃を意識し、固定化させる意味が込められているからだ。

　篠塚打撃コーチ　みんなが頭を使ってやっている。城島にとっては（右方向は）得意な打ち方だが、チームにとって一、三塁という形をつくることがいかに大事かを把握している。

　岩村は４回だけでなく２回にも同様に左犠飛を放ち２打点だ。

　岩村　相手は下位打線という見方をしてくる。その３人で１点を取る形を出せて良かった。

　原監督が９人の打者を３分割して打線活性化を目指す狙いは、選手個々にも十分に浸透し始めている。

　原監督　各自が本番を意識して戦ってくれた。（稲葉の右前打は）理想の形です。みんながつなぐという意識を持っていい流れができています。

　次の打者、次の組へつなぐ意識の相乗効果が、サムライジャパンの核になっている。【山内崇章】

　［2009年2月25日8時59分　紙面から］

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