1. 
2. 野球
3. ニュース

３点左翼越え本塁打を放った村田はガッツポーズで三塁ベースを回る

＜ＷＢＣ・第１ラウンド：日本１４－２韓国（７回コールド）＞◇７日◇Ａ組◇２回戦◇東京ドーム

　男・村田がひと振りで韓国の左腕エースを沈めた。日本代表で初の「４番」に座った村田修一内野手（２８＝横浜）が２回１死一、三塁から左翼席へ２戦連発の３ランを運んで、金広鉉をＫＯした。昨年８月の北京五輪では韓国に敗れ屈辱を味わったが、見事に雪辱した。

　大一番に「４番」を任された男・村田が２試合連続アーチで、日本キラーの金広鉉を沈めた。３点リードした２回、なお１死一、三塁のチャンス。カウント２－１と追い込まれてから粘りに粘った。「自分のチーム（横浜）でやっているように。走者をかえすことだけ考えて」。ファウルのたび打席を外し、相手をにらんで仕切り直した。じわり、と自分の間合いへと引き込んでいった。

　５連続ファウルの後、根負けした金のボール球を挟んで１０球目だった。真ん中低めのチェンジアップをすくい上げた。高く高く上がった打球は、左翼席最前列で弾んだ。打った瞬間、原監督が両拳を握りほえた。村田も呼応するように、三塁ベースを回るとほえた。「それまでスライダーをファウルしていたので、投げる球がなくなったのかも。最後の最後に甘い球がきた」。試合の流れを完全につかむ３ラン。指揮官の抜てきに応え、勝てば第２ラウンド進出という決戦の主導権を引き寄せた。

　許可を得て自宅から球場に通う。愛息の閏哉君（３）が選んでくれた黒のＴシャツを着て登場した。５日の初戦（中国戦）も見立ててもらいホームラン。験を担いだ。「アメリカ出発前も選んでもらいますよ」と勝利を確信し、ご機嫌だった。練習前も普段通り、専属契約を結ぶ升永トレーナーの治療を受けた。宮崎合宿から１日も欠かさなかったルーティンワーク。「天才・たけしの元気が出るテレビ！！」のＤＶＤを見て、緊張を豪快に笑い飛ばしてからグラウンドに出た。値千金の一振りの裏には、自然体を通したずぶとさがあった。

　北京五輪では体調不良のまま、不完全燃焼に終わった。１次リーグの韓国戦では金の前に２打数無安打。ＷＢＣでのリベンジを、ひそかに心に誓っていた。代表に合流前、チームドクターと「北京で心配かけてすいませんでした。ＷＢＣは必ずやってきます」と交わした約束を果たした。試合後のお立ち台。「気持ちがいい。野球選手として最高の気分です。北京でコテンパンにやられて、絶対に打ちたかった。まだまだ足りない。大いに頑張ります」とファンを沸かせた。日本が誇るアーチストが堂々と４番を務め上げた。

　［2009年3月8日8時46分　紙面から］

このニュース・話題の日記を書く

※ニュースの日記を書く方法はこちらで紹介しています。

このニュースには全0件の日記があります。

ソーシャルブックマークへ投稿

ソーシャルブックマークとは

キーワード：

村田修一

• ウェブで調べる
• 過去記事を探す
• ＴＶ番組表をチェックする