名古屋の梅雨が明けた。暑い名古屋がもっと暑くなり、体形ゆえに暑がりが多い力士はますます冷房に頼る。今年も、設定温度に表れる人柄をのぞいてみた。

 やっぱり最低温度の16度を譲らない力士はいる。千代丸と同部屋の千代大龍は「考えてもみてください。自分と千代丸ですよ」。大柄な臥牙丸も「もちろんマックス」と胸を張った。

 だが、譲る力士もいた。それは碧山。栃煌山や栃ノ心らと同部屋だが、昨年と違って今年は21度を守る。栃煌山は「ボクと栃ノ心は暑がりだけど、碧山が風量を弱くしてくれたり調整してくれるので、風邪をひかずにすんでます」。おかげで春日野勢は好調。思えばおととしまで16度だった豊響は結婚した昨年、23度に変えた。碧山も今年結婚。結婚で温度は変わるのか。

 大柄でも逸ノ城はちょっと意外。「24度。それくらいがちょうどいいです」。そして嘉風は言う。「大部屋を仕切っているだけなので上は吹き抜けですが、自分の頭上にあるエアコンは止めています。全然暑くない」。無の境地で土俵を駆け回る35歳は、暑さ寒さに右往左往しないらしい。

 今年の設定温度にみる人柄は、いかがでしょうか。【今村健人】