同級1位井上拓真(19=大橋)が、プロ5戦目で初のタイトルを獲得した。

 スピードに的確な左ストレートで、初回から同級2位マーク・アンソニー・ヘラルド(23=フィリピン)をリードした。中盤はボディーも効かせたが、8回に左をもらって腰が落ちる。その後はクリンチに攻めあぐね、両者とも再三スリップダウン。最終12回には左ストレートでプロ初のダウンを喫したが、3-0の判定勝ち。中盤までの攻勢で3~7ポイントと差はあった。

 井上は「きつい試合だったのでベルトの重みを感じる。5戦目は流れできた。世界へはまだまだ壁がある」と控えめに話した。5戦目の東洋太平洋王座獲得は、兄のWBO世界同級王者尚弥(22)に並ぶ歴代2位。聖地と言える後楽園ホール、メーン、12回と初づくしの第1関門をまずは突破した。父の真吾トレーナーは「詰め方など課題あるが、うれしく、楽しみ」と笑みを見せた。