V9に成功したWBC世界バンタム級王者山中慎介(32=帝拳)が「ビッグマッチロード」に突き進む。陣営は防衛回数へのこだわりはなく、判定で破ったアンセルモ・モレノ(30=パナマ)に続く強豪との対戦を目指す。次戦は、WBA同級スーパー王者ファンカルロス・パヤノ(ドミニカ共和国)との統一戦を軸に交渉を進める意向。山中が希望する米国での実現も見据える。

 山中の次戦について、帝拳ジムの本田会長は試合後、「モレノに勝ったことは海外的には大きな意味を持つ。本人も外国でやりたがっているし、これから考えていく」と話した。陣営に防衛回数へのこだわりはなく、今回のモレノ戦と同じように、山中のモチベーションを高めるようなマッチメークを続ける方針だ。

 具体的なターゲットは、昨年9月にモレノからWBAバンタム級スーパー王座を奪ったパヤノになる可能性が高い。交渉が難しい他団体王者との統一戦について、本田会長は「パヤノは十分に可能性はある。それが海外で出来れば一番良い」と説明した。

 ジムの先輩である元WBC世界スーパーバンタム級王者の西岡利晃は7度目の防衛戦で初めて米国リングに立った。山中も米国の老舗ボクシング誌「リング」が5月に発表したパウンド・フォー・パウンド(全階級を通じた最強選手)ランキングで日本人として初めてトップ10入りを果たすなど、海外での評価は高い。

 今年に入り、WBC世界フライ級王者の「怪物」ローマン・ゴンサレス(ニカラグア)の試合が全米で中継されるなど、世界のボクシング界では軽量級への注目が高まっており、山中の海外進出を後押しする材料は多い。モレノというビッグネームを退けた、このタイミングで海を渡ることも考えられる。日本を代表するハードパンチャーの動向は、本場米国など海外からも熱い視線が注がれている。

 ◆ファンカルロス・パヤノ 1984年4月12日、ドミニカ共和国生まれ。04年アテネ、08年北京五輪に出場し、10年8月にプロデビュー。14年9月にWBAバンタム級スーパー王座を獲得。今年8月に判定勝ちで初防衛に成功。戦績は17戦(8KO)無敗。身長165センチのサウスポー。