格闘技イベントのRIZIN(ライジン)は8日、都内で会見を開き、すでに参戦が決まっていた曙(46)とボブ・サップ(42=米国)の試合を、31日にさいたまスーパーアリーナで行うと発表した。03年の大みそか以来の再戦は、キックボクシングに投げ技などが認められるシュートボクシングルールで行われる。12年前のリベンジに燃える曙は、あらためて必勝を誓った。

 12年ぶりの再戦は曙のたっての願いだった。「12年前に大みそかに負けて、ずっとその苦しみ、悔しさを心の奥の奥に押し込んで毎日を過ごしてきた。いずれやりたい、リベンジしたいと思っていたときに話をいただいた」という曙は、RIZIN側のオファーに1つだけ注文をつけた。「ボブ・サップじゃないと、この一戦はやりません」。

 03年はK-1ルールで戦ったが、今回は立ち技のキック、パンチの他に、投げ技や立った状態での関節技が認められるシュートボクシングルール。3分3ラウンドで行われる。榊原実行委員長は「2人の良さが出るルール。(シュートボクシング協会の)シーザー武志会長にレフェリーをお願いした」という。

 前回は、曙を1回KOしたサップは「前回同様、早い時間帯でのKOを狙っていく」と自信満々に話した。一方、曙は「とにかく1ラウンドを終わりたい。2ラウンドで作戦考えます」と控えめに言った。前回は相撲界から格闘技界に飛び込んでのデビュー戦で「丸いリングから四角いリングで、戦い方を全く知らないまま試合に臨んだ」。今回は、総合格闘技やプロレスの経験を通して「覚えたことが試合に生かせる。リングの使い方も分かった」という。

 46歳になった曙は12年間の格闘家の経験をサップにぶつける。「大みそかは絶対勝ちにいきます」と高らかに宣言した。【桝田朗】

 ◆03年大みそかの曙-サップ戦VTR 開始から前に出ていた曙は1分すぎからサップのローキックに動きが止まる。2分すぎ、コーナーに押し込んだところで右ストレートを浴びてダウン。カウント9で立ち上がったが、再開後に右強打を浴びて失神し、前のめりにダウンした。直後にレフェリーが試合を止め、曙は1回2分58秒KO負けした。試合を録画中継したTBSの番組の毎分の瞬間最高視聴率はNHK紅白歌合戦を4分間上回った。曙がダウンした午後11時2分に43・0%を記録、紅白の35・5%に大差をつけた。裏番組が紅白を超えたのは史上初だった。