WBAスーパー、IBF世界バンタム級王者井上尚弥(28=大橋)が、2年1カ月ぶりの凱旋マッチを勝利で飾った。
IBF世界同級5位アラン・ディパエン(30=タイ)との防衛戦に臨み、8回2分34秒、TKO勝ちを収めた。19年11月、ワールド・ボクシング・スーパーシリーズ・バンタム級決勝となった世界5階級制覇王者ノニト・ドネア(フィリピン)との激闘を制して以来の国内世界戦で、WBA6度目、IBF4度目の防衛に成功。来春の4団体王座統一戦に向け、大きく前進した。
モンスター井上尚弥「これ、効いているのか」難敵ディパエンを8回TKO
「8Rまでかけこの野郎と言う人も」モンスター井上尚弥、素直な思い明かす
◆WBAスーパー、IBF世界バンタム級タイトルマッチ12回戦
井上尚弥 | ○ | 8回TKO | ● | ディパエン |
◆ラウンドVTR◆
8回
8R 井上が圧力をかけ続け、アランはバックステップで逃げるのみ。左ボディーから左ストレートでアランがダウン。試合再開もレフェリーがすぐにストップに入り、TKO勝ち。
7回
7回 井上が左ボディーから右フックで、アランはたまらずグラリ。そこからボディー連打でラッシュを仕掛けるが、ダウンは奪えず。
(井上10-9アラン)
6回
6回 井上の手数が減るも、的確な左右ボディーでアランの動きを止める。ラウンド終盤は足を使って逃げるアランを井上は攻めあぐねる。
(井上10-9アラン)
5回
5R 井上が強烈な左右ボディーに対し、アランも左右フックで応戦する。井上の高速ジャブを被弾しながらアランが笑みを浮かべる場面も。しかし、ボディーアッパーで井上が圧倒。(井上10-9アラン)
4回
4回 アランがゴングと同時に攻勢。井上は左右ボディーから形勢を逆転させ左のコンビネーションから圧倒する。
(井上10-9アラン)
3回
3回 井上がカウンターの左フックをヒット。アランは鼻から出血。ボディー攻めに圧倒される。
(井上10-9アラン)
2回
2回 アランがワンツーから先に仕掛ける。井上は高速ジャブから右アッパー、ボディーで徐々に圧力をかける。
(井上10-9アラン)
1回
1回 井上はガードを上げて静かな立ち上がり。1分過ぎからジャブを放ち、距離を詰めていくが、決定打はなし。
(井上10-9アラン)
入場
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◆バンタム級の現状 ドネアが王座統一と初防衛に成功。試合後、リングで王座統一の目標を明確に示し、井上との3団体統一戦をアピールした。WBO世界バンタム級王座は混沌(こんとん)としている。胃腸炎でUAEドバイでのV5戦をキャンセルした王者ジョンリール・カシメロ(32=フィリピン)はWBOから10日以内に診断書や医療記録の提出を厳命され、拒否すれば王座剥奪となる。一方、カシメロ欠場で挑戦が見送られた同級1位ポール・バトラー(33=英国)は同級8位の元IBF王者ジョセフ・アグベコ(41=ガーナ)との暫定王座決定戦が組まれたが、正規王座決定戦でないことに不満をみせて拒否。計量も終えていたが、暫定王座戦も中止となった。