<プロボクシング:WBO(国際ボクシング機構)世界ミドル級タイトルマッチ12回戦>◇1日◇ロシア・モスクワ

 元WBA世界スーパーウエルター級暫定王者で現WBO世界ミドル級11位の石田順裕(36)が、王者ディミトリー・ピログ(ロシア)に敵地で挑戦し、0-3判定で敗れた。石田は全体的に的中率でピログを下回った。細かいパンチを浴び続け、10回には左フックを食らって腰が落ちかける場面も。ダウンは意地で阻止したが、12回終了ゴングを聞くと力なく肩を落とした。採点は109-119、111-117、108-120と1者がフルマークの完敗だった。

 試合後、石田は「やりにくい相手だった。ロープに詰まったら連打をもらうので、リングの中央で戦う作戦だった。まずは左ジャブを突いて、途中から右ボディーを狙っていった。(ボディーを)向こうは嫌がってるなと感じたが、そこからが続かなかった」と振り返った。

 WBOは世界王座を管轄するメジャー4団体の1つ。日本未公認団体のため、石田は4月27日付で日本ボクシングコミッションに引退届を提出し、今回の試合に出場した。「ボクシングをやっている以上は、やっぱり強い相手と戦いたいから。結果はこうなったけど、全然悔いはない。いい経験になった。チャンスがもらえるなら、また戦いたい。それが僕の仕事なので」と、今後も海外で現役を続ける考えを示した。