2センチ増でV10確信や!
WBC世界バンタム級王者長谷川穂積(28=真正)が10度目の防衛戦(18日、神戸ワールド記念ホール)を前に15日、挑戦者ペレス(ニカラグア)とともに神戸市内で予備検診を行った。両者とも異常はなく、大きな体格差はなし。長谷川は、体調とパワーアップの目安ともいえる「胸厚」が前回V9戦(7月14日)の20センチから22センチにアップ。体調のよさを数字が示した。
「たかが」ではない。長谷川にとって「されど」の2センチだ。決戦3日前。減量に苦しんでいたはずの王者が「体調バッチリ」と宣言した。肌もツヤツヤ。胸の厚さが20センチから22センチにアップしたことを聞き「メッチャやりましたからね」。満足そうな笑みを浮かべた。
日本ボクシングコミッションのあるドクターが、胸厚増の成果を説明した。「体調のいい証拠。腹横筋が締められると内臓が胸郭の中に入っていく。軸がしっかりしたということ。1センチの範囲なら当日の体調で変動するが、2センチとは、それだけのトレーニングをしたということ」。
07年5月のV4戦前に23・5センチを計測しているが、質が違う。「昔は胸筋のつけ方が分かっていた。すぐに筋肉がつくから、最近はやめました」。防衛を重ねるにつれてパワーアップした体は、一方で減量の敵。ここ数戦は意図的に筋肉をつけず、胸厚も落ちた。今回は中身の濃い「1割増」なのだ。
今回は400メートルのインターバル走などを取り入れ、スタミナ強化に成功した。体重はリミットまであと250グラム。具志堅用高の13度に続く日本人2人目の2ケタ防衛に、死角はなさそうだ。【近間康隆】