<DREAM15>◇10日◇さいたまスーパーアリーナ◇1万3028人

 DREAMライト級王者の青木真也(27=パラエストラ東京)がライバル対決を圧勝し、初防衛に成功した。PRIDE時代からの「戦友」で挑戦者の川尻達也(32=T-BLOOD)と激突。試合開始と同時に川尻の右足を奪って得意の関節技に入った。そのまま絞め上げ、1回1分53秒、アキレス腱(けん)固めで仕留めた。今年4月、米総合格闘技ストライクフォース(SF)同級王座に挑戦も判定負けを喫しており、そのリベンジを宣言した。また結婚することも発表した。

 青木が川尻の右足首を破壊した。タックルで右足をつかむと絞り上げた。ねじった。「1回きめてバリバリと鳴ったけど(川尻が)止めないから1回をずっときめて…足首を壊すつもり、折るぐらいの気持ちでいきました」。苦悶(くもん)の表情を浮かべた川尻のタップによりアキレス腱固めでの1本勝ち。「川尻さんがいたから、ここまで頑張れた」と絶叫した。

 PRIDE解散後、2人が軽量級をけん引した。07~09年は合同トレで切磋琢磨(せっさたくま)してきた。「戦友」「兄弟」と認める相手だからこそ、非情に徹した。4月にSFライト級王者メレンデス(米国)に挑戦し判定負け。どん底に落ちた王者は、1人の女性に支えられた。観客席で応援する婚約者・大川なをさん(23)に見守られ、青木は「4月に負け、いろいろな人がいろいろ言って悔しい時に力をくれたり、支えてくれた」と10月に結婚することを発表した。

 DREAM笹原圭一イベントプロデューサーは「(青木に)海を越え、もう1回挑戦してほしい」と米国行きサポートを表明。青木も「オレが4月にみんなの夢を捨てちゃった。もう1回、みんなの夢を背負う。それはオレの夢でもある」とSF勢に向け、宣戦布告していた。【藤中栄二】