長谷川穂積(33=真正)が「完璧ボディー」で3階級制覇に挑む。IBF世界スーパーバンタム級王者キコ・マルティネス(28=スペイン)との大一番(23日、大阪城ホール)へ、20日は大阪市内でWBC世界バンタム級王者山中慎介(31)らと予備検診に臨んだ。体格は、1階級上のフェザー級で戦った11年4月時とほぼ同じで「悔いのない体」と自信を見せた。

 穏やかな笑顔だった。長谷川は、初対面したマルティネスとにこやかに握手を交わした。ゆとりの表情は、調整の順調さを証明していた。「減量の成功という意味では過去最高。後悔ない体が作れてると思います」とうなずいた。

 予備検診で出た数値に、満足した。1階級上のフェザー級で戦った11年4月の世界戦時に比べて、身長0・7センチ、胸囲0・3センチ、胸厚もわずか1センチ減少しただけで、ほぼ変化はなかった。逆に首回りは0・7センチ太くなった。約1・8キロ軽いリミット体重のスーパーバンタム級でも、パワーのロスを食い止めた。管理栄養士の指導を仰ぎ、練習直後のプロテイン摂取、ミネラル分の多い経口補水液での水分補給を徹底した成果だった。

 対戦するマルティネスは、資料より5センチも身長が低く、実際は160センチしかなかった。7・5センチも小さな相手になるが、長谷川は気にもしない。「思ったより低いけど、あまり戦いには関係ない」。元WBC世界スーパーライト級王者の浜田剛史・帝拳ジム代表(53)も「長谷川くんがしっかり距離を取って戦えば、向こうのパンチは当たらない」と予想した。

 振り返れば、初めて世界王座を奪取した05年4月のWBC世界バンタム級戦で倒したウィラポンも160センチ弱だった。小さな王者を倒して、長谷川の伝説は始まった。3階級目のベルトも、小柄な敵を倒してつかみとる。【木村有三】