WBA世界フライ級王者の坂田健史(28=協栄)対同級1位の亀田興毅(21)の元同門対決が今夏にも実現する可能性が出てきた。協栄ジムの金平桂一郎会長(42)は13日、坂田の4度目防衛戦の相手として亀田を最有力候補として検討に入ったことを明かした。この日、亀田の協栄ジム離脱後、初めて公の場に姿を見せた坂田も亀田戦実現を熱望。亀田の所属問題が解決すれば、因縁対決が一気に現実味を帯びてきそうだ。

 因縁対決が早期に実現する可能性が出てきた。金平会長は坂田-亀田戦について「夏に予定する坂田の次戦の相手として、具体的な検討に入るつもりです」と話した。亀田兄弟が協栄ジムを離脱した時点では「今後の対戦候補」に止まっていたが、さらに一歩踏み込んだ発言だった。

 同じ協栄ジムに在籍した昨年から、両者とも対戦を熱望していた。同6月には金平会長もゴーサインを出したが、「同門対決」によるジム制度崩壊などを危ぶむ業界内の反対で立ち消えになった。今回、亀田が協栄ジムから離脱したことで、その大きな壁は取り払われた。

 この日、坂田は亀田のジム離脱後、初めて公の場に姿を見せた。都内の会社での講演後「一緒にいる時間はほとんどなかったからやりにくさはない。ジムも別れたし、より(対戦が)具体的になるんじゃないですか。もちろん勝つ自信はあります」と亀田戦に意欲を見せた。時期についても「いつでもいい。挑戦を受ける準備はできている」と夏予定のV4戦も含めた早期実現を熱望した。

 2人には因縁がある。もともと坂田が協栄ジムの看板選手だったが、3年前に亀田が移籍したことで「主役」が逆転。スパーリング相手としての「わき役」も務めた。派手な言動で一気に階段を駆け上がった亀田に対して、坂田は地道に世界の頂点に立った。同門ではなくなった2人が対決に向かうことは必然だった。

 実現には亀田の所属問題解決が大前提になる。前日12日の東日本ボクシング協会理事会では、亀田兄弟の「仮所属」申請を認可せず、結論は6月の理事会まで先送りされた。日本ではジムに所属しなければ、試合はできない。亀田の所属が決まった時点で、坂田-亀田の因縁対決が実現に向けて動きだす。