SKE48加藤るみ(21)が29日、名古屋のSKE48劇場で卒業公演に出演した。

 開演前には、「私の最終公演ということで、7年間立った劇場とお別れです。みなさんに愛を振りまいていきます」とあいさつ。09年に劇場デビューした思い出の「手をつなぎながら」公演で、7年間のアイドル生活を締めくくった。

 曲中には、後藤楽々を抱きしめたり、菅原茉椰のほおにキスするなど、メンバーとコンタクトしながら、最後のステージを楽しんだ。一方で、歯に衣(きぬ)着せぬ発言で知られる加藤だけに、「加藤るみ被害者の会」と題したトークコーナーでは、メンバーから過去の毒舌をここぞとばかり暴露された。それでも木本花音から「なんだかんだ憎めないのが、るみさんのいいところ」と言われると、うれしそうにほほえんだ。

 卒業セレモニーでは、自ら選んだ後輩たちとの非公式ユニット「加藤るみ選抜」とともに「僕は知っている」を披露した。曲中に日高優月、熊崎晴香らからサプライズでメッセージを送られると、涙を見せた。チームS時代から仲良しの矢方美紀も登場し、2人で「誰かのせいにはしない」を歌った。

 岐阜出身の加藤は、自然に囲まれた環境に育ち、釣り好きアイドルとして話題になった。自宅から劇場までが遠かったため、活動を支えてくれた家族への感謝も口にした。「お母さんは朝、始発がないときに高速で送ってもらったりとか、朝早くても夜遅くても、ご飯を用意してくれた。お父さんは何も言わないけど、今朝、『今日がんばつて』とメールをくれました」と明かし、笑わせた。

 釣りは専門誌で取り上げられるほどの技術で、映画鑑賞もネット番組のコーナーを持つなど、多趣味で知られる。同期の斉藤真木子は、お別れの手紙で「るみには、自分にしかできない仕事ができる、数少ないメンバー。後輩の希望の光で、誇らしかった」とたたえた。

 加藤は今後も芸能活動を続ける。「これからもずっと付いてきてほしい」とファンに呼びかけ、「離れるのは寂しいですが、これから私の思い描いていた夢に1歩でも近づけるように、誠心誠意、努力してまいりたい」と決意を語った。盛大な「るみコール」を受けると、「ありがとう。みんなが大好きです」と、投げキスで応えていた。