著書「AKB48論」(幻冬舎)が話題になっている漫画家小林よしのり氏(60)が、このほど取材に応じた。大ファンを公言してきた同氏は、同書でAKB48の魅力や楽しみ方を解説している。同グループが国民的人気を獲得した今、同書の発表をもってファンを卒業すると宣言していたが、同世代の“隠れAKB48ファン”からの声に心を動かされ、今後も応援していくと明言した。

 ギャグ漫画「おぼっちゃまくん」や、社会・政治問題を描いた「ゴーマニズム宣言」で知られる小林氏がAKB48ファンになって4年。「斬新なシステムのアイドルグループゆえにバッシングも食らってしまう。守るためにと応援してきたが、国民的人気となり、この本をもってファンを卒業する」と決めていた。しかし、やめられない理由ができた。

 小林

 「AKB48論」を読んだ同世代の方々から「私も隠れAKBファンだったが勇気をもらえた」と賛同の便りがたくさん届いた。一様に「ロリコン」と勘違いされることがつらかったんです。ただ自分の審美眼を語りたかったり、彼女たちの本気の生きざまを応援している。それでも変人扱いされる。偏見の目と、まだ戦い続けなければならないと覚悟したよ。

 テレビ出演時はサービス精神で多少はAKB48オタクを演じる。バラエティー番組でウケる発言を求められ「大島優子なら(寝てみたい)」と答えたことで誤解を受けた。

 小林

 今更ワシは彼女たちを性的対象として見てはいない。それを証明するために握手会には1度も参加していない。ただ今のテレビでは「笑われる存在」が必要で、その役回りを全うすると、真に受けられて面倒なことになる。この案配が難しい。

 身を削って広告塔を務めることが一時苦痛になったが、同じ思いのファンや頑張るメンバーたちのために今後も盾になると決めた。そして早くも来年の選抜総選挙1位も予言した。

 小林

 ワシのアンチの指原が今年以上に圧勝する。もはや、1人のメンバーというスケールを超え、1人だけ有名タレントになってしまった。イジられ笑われる指原は今後もテレビで重宝される。もう大島も渡辺麻友も松井珠理奈もかなわない。勝つとしたら「あまちゃん」の能年玲奈が出るしかない。AKB48の基本理念の劇場公演で汗を流して頑張る子より、テレビで笑われる子が勝つ総選挙になってしまった。1位が「AKB48の正統センター」という概念を変えるのがこれからのワシの役目の1つだ。

 ひと昔前はダサく思われていた「本気(マジ)」を掲げるAKB48に、負けず劣らずの熱血で向き合い、今後もその魅力を伝えていく覚悟だ。【瀬津真也】

 ◆小林よしのり氏とAKB48

 09年シングル「RIVER」のプロモーションビデオを見てファンに。姉妹グループの劇場にも全て足を運んで取材。峯岸みなみが丸刈りで世間に批判を浴びた際には「群集がこぞって反応する行為こそが異常。彼女は、むしろ覚悟と執念を示した」と擁護。6月の総選挙ではアンチ指原の立場として生放送でも「(正統派ではない)指原が1位では日本は経済的に破綻する」と過激発言で不満を示し物議を醸した。神推しメンは大島優子で、特別枠推しメン市川美織という。