AKB48が8日、デビュー8周年を迎えた。東京・秋葉原のAKB48劇場に、メンバー総勢86人が集結し、特別記念公演を開催した。メンバー全86人がグループの成長と変化をかみしめながら歌い踊り、総監督の高橋みなみ(22)が、グループの象徴となっている同劇場の「二本柱」に、8本目となるピンクのテープを貼った。アンコールでは、サプライズで米歌手レディー・ガガ(27)からのお祝い動画メッセージが届き、記念日に花を添えた。

 全メンバー86人で、狭いステージにぎゅうぎゅうになって、06年のインディーズデビュー曲「桜の花びらたち」を歌った。前田敦子も板野友美も篠田麻里子も秋元才加もいない。すっかり顔触れの変わった、これが13年のAKB48だ。

 グループ結成8年目は、世代交代が加速した1年だった。10月のシングル「ハート・エレキ」の選抜メンバー16人の中で、AKB48を国民的人気にまで押し上げた功労者の1、2期生は、小嶋陽菜、高橋みなみ、峯岸みなみ、大島優子の4人だけ。11日リリースの新曲「鈴懸なんちゃら」では、AKB48じゃんけん大会で勝利した面々とはいえ、創成期メンバーは1人もいなくなった。2009年10月、初めてオリコン1位を獲得したシングル「RIVER」の選抜メンバーに11人いたことを考えれば、変化は明らかだった。

 すっかり日本を代表するグループになった証しか、アンコールのサプライズでは、ガガから動画メッセージまで届いていた。「8thアニバーサリー、おめでとう。AKB48、アイシテマ~ス」。交流は音楽番組の共演で「かわいい衣装ね」と話し掛けられたのが、きっかけだった。トレンドを生み出し続ける世界的アーティストまでが、日本が生んだ「制服アイドルグループ」の個性に注目するようになっていた。8年前の観客7人の舞台を知る峯岸は「こんな方からお祝いされるぐらいにまでになったんだねぇ」と、感慨深げにつぶやいた。

 また、この日は、1月に入った15期生から高橋ら3人の1期生までが、同期生ごとにユニットを組んで、それぞれの思い入れのある曲を歌って、ファンと歴史を共有した。史上最多の14作連続ミリオンヒットや、全国6大ドームツアーなどの大記録も打ち立て、毎年の選抜総選挙も社会的関心事になるなど、記録にも記憶にも残るグループに成長した。ここからは、どれだけ長く走り続けられるかだ。公演前、高橋が8本目のピンクのテープを貼った劇場の「二本柱」には、まだまだスペースが空いている。【瀬津真也】

 ◆二本柱

 AKB48劇場内にある2本の柱。ステージ近くに立っており、最前列の観客以外、ステージ全体を一望できない構造になっているが、耐震などの観点から必要不可欠で、劇場の名物に。柱にはピンク色の線が引いてあり、1周年ごとに1本ずつ増やす。AKB48の公式ファンクラブの名称「二本柱の会」の由来にもなっている。