映画「戦場のピアニスト」などで知られるロマン・ポランスキー監督が、約30年前の米国での少女淫行(いんこう)事件でスイス警察当局に拘束された問題で、欧州の文化人ら約90人は28日、同監督の釈放を求める連名の嘆願書を発表した。

 同監督は26日、チューリヒ映画祭での受賞のため入国する際に拘束された。嘆願書は「最も偉大な映画人の1人が栄誉を受けるべき舞台が、警察のわなであったという事実は受け入れがたい」と強く非難している。

 署名者には、映画監督のビム・ベンダース、アンジェイ・ワイダの両氏のほか、女優のイザベル・アジャーニさん、作家のミラン・クンデラ氏らが名を連ねている。

 一方、フランスのクシュネル外相は28日、ポーランドのシコルスキ外相と連名で、ポランスキー監督の逮捕状を発行した米国のクリントン国務長官に書簡を送り、フランス、ポーランド両国の市民権を持つ同監督の釈放を求めた。