アフリカ中部ルワンダからの報道によると、同国検察当局は28日までに、1994年のルワンダ大虐殺を描いた映画「ホテル・ルワンダ」の主人公のモデルとなった元ホテル支配人ポール・ルセサバギナ氏(56)が、多数派フツ人系反政府勢力を資金援助していると非難、同氏を訴追する可能性を示唆した。

 これに対し、ベルギー在住のルセサバギナ氏は「テロリストに金を送ったことはない」と強く否定する声明を発表した。同氏は「強権的」と指摘される少数派ツチ人のカガメ大統領を近年、公然と批判していることで知られる。

 検察当局は、ルセサバギナ氏が、フツ人系のルワンダ解放民主軍(FDLR)を援助したとする証拠を、FDLR幹部らから得たとしている。FDLRはツチ人ら約80万人が犠牲になった94年の大虐殺に関与したと指摘されている。

 ルセサバギナ氏は大虐殺の間、首都キガリの高級ホテルに避難したツチ人ら1200人以上の生命を救ったとして称賛され、2004年の映画「ホテル・ルワンダ」はアカデミー賞候補にもなった。