米アカデミー賞外国語映画賞を受賞した映画「おくりびと」に主演した本木雅弘(43)が感極まった。本木は20日、埼玉・桶川市の「べに花ふるさと館」で行われた桶川市栄誉賞の贈呈式に出席した。本木が15歳まで過ごした生まれ故郷とあって、いつもは来場者1日300人ほどの施設に、市民ら1200人以上が集まった。「モック~ン!」の大歓声と拍手に迎えられて会場入りすると、興奮する市民たちの握手攻めにも笑顔で応じた。
アカデミー授賞式では冷静に振る舞う姿が印象的だったが、この日は目を潤ませる場面もあった。母校の小学校生徒たちから祝福の言葉を贈られ、その返礼のスピーチをしている時だった。「胸が熱くなってきました」と言葉を詰まらせ「みなさんも戻って来られるふるさとがあることの大切さを知る時が来ると思います」と締めくくった。
先祖が眠る墓は会場すぐ近く。実家も近く、贈呈式には農業を営む両親も姿を見せた。上京は16歳の時。「一面の田園風景に嫌気がさし、都会の刺激にあこがれてました」。アイドルスター時代は「田舎育ちがコンプレックスでした」。結婚して子供が生まれてから帰郷するようになった。「ふるさとで育った時間のすべてが自分につながっていると気づいた。離れてみてよく分かった」。実家に戻ると子供たちには土いじりをさせる。
市側の要望に応え、桶川駅1日駅長や母校の小学校の創立130周年記念行事にも二つ返事で出席してきた。地元同級生たちも「気取らないから、町の人みんなから好かれている」と話す。この日は「自分に与えられた故郷で喜びを分かち合うことができた」という意味を込めた造語「誉郷」(ほまれのさと)という文字を毛筆でしたためて寄贈した。市関係者は「本木さんには今後も桶川の盛り上げに一役買ってほしい」と期待を寄せる。本木も「私でできることがあれば」と協力は惜しまないつもりだ。
この日は埼玉県民栄誉章を受賞するため、さいたま市内で行われた贈呈式にも出席した。【松田秀彦】




