俳優妻夫木聡(29)と松山ケンイチ(25)が、60年代の学生運動を舞台にした映画「マイ・バック・ページ」(山下敦弘監督、11年公開)で初共演することが12日、明らかになった。作家川本三郎氏(65)の回想録を原作に、若きジャーナリストと学生活動家の挫折を描く。2人は「必ず最高の作品を作る」と、共演を心待ちにしている。

 映画界を代表する人気俳優の共演が実現する。若きジャーナリスト役を演じる妻夫木は「現場で松山君とともに、僕らの『時代』を描ければ」。2人は同じホリプロ所属でもあり、学生活動家を演じる松山は「近しい後輩でありながら、今まで共演がなかったのは神様のいたずらかと思っていました。ようやく一緒に芝居をできることをうれしく思います」と、クラインクインに備えている。

 映画「マイ・バック・ページ」は、全共闘世代の必読書とされた「朝日ジャーナル」記者だった川本三郎氏の回想録(93年刊)が原作。学生運動が最も熱く、そして急速に後退していった69~72年を舞台に“あの時代”に翻弄(ほんろう)された青春の姿を描く。

 根岸洋之プロデューサーは「バンド活動をする現代の若者も、当時学生運動に身を置いた若者も同じ。あこがれや流行に乗ってしまう青春の軽さやニセモノの面白さは、若い世代にも、あの時代を生きた世代にも共感してもらえると思う」と話す。山下敦弘監督は2人の魅力について「妻夫木君は常に地に足が着き、僕らの目線で共感できる人間を演じきるところ、松山君は、特異の存在感で見ている者を別の世界へ連れて行ってくれるところ」と語り「正反対の2人がどんな演技でぶつかるのか楽しみ」と期待を寄せている。

 劇中では、反戦歌として知られるCCR(クリーデンス・クリアウオーター・リバイバル)の「雨を見たかい」を2人で口ずさむ場面もある。妻夫木は「『どこにもない何か』に自分の存在価値を求めようとした時代。ただ通り過ぎていく今のこの時代に、少しでも足跡が残せたらいいなと思う」。松山は「とても特異、異質な役なので演じるのが楽しみ。山下監督や妻夫木さん、スタッフ、キャストの皆さんと必ず最高の作品を作ります」と意欲を語っている。