【ベネチア(イタリア)2日=柴田寛人】俳優松山ケンイチ(25)が、自身初の海外映画賞獲得を視野に入れた。第67回ベネチア国際映画祭参加のため、前日1日夜に当地入り。コンペティション部門出品作の主演映画「ノルウェイの森」(トラン・アン・ユン監督、12月11日公開)の公式上映前に会見し、「1番を取りに行く。観光に来ているわけではない」と話し、金獅子賞(グランプリ)獲得へ意欲をみせた。
松山に観光気分はなかった。自身初の欧州入り。水の都と呼ばれ、観光都市として知られるベネチアにいても、戦う姿勢を崩さなかった。「1番を取りに行く。観光をしに来たわけではない。1番楽しみなのは、『ノルウェイの森』の上映会を見て、周囲の反応を見ることです」。
村上春樹氏の原作で、独特のファンタジックな世界観から映画化困難といわれた作品だけに、金獅子賞獲得への手ごたえはある。「日本を代表する小説。映画化は世界中の人々が待っていた。日本を代表する気持ちで来ています」と力を込めた。
共演の菊地凛子(29)も同感だ。06年の出演映画「バベル」で米アカデミー賞助演女優賞にノミネートされるなど、海外経験が豊富だが、今回は思い入れがある。「できれば金獅子賞をもらいたい。日本の原作と、日本製作の作品で、私が映画祭に参加するのは初めて。日本が描かれたもので、こうした公式の場に来るのは、自分にとっても大事な意味がある」。2年前のベネチアにもアニメ映画「スカイ・クロラ」の声優として参加したが、今回は世界的ベストセラーの映画化作品のヒロインだけに、気合が違った。
ベトナム出身のユン監督は、95年の監督作品「シクロ」で金獅子賞を獲得しており、15年ぶり2度目の栄冠を目指す。「プロデューサーやスタッフとみんなで作った作品なので、何かしら意義のあるものを残したい。キャストも何か賞をもらえるのではないか」。松山の最優秀男優賞獲得も見据えていた。




