アンジェリーナ・ジョリーが、元夫ブラッド・ピットとの離婚原因となった2016年9月のDV騒動以前から身体的虐待を受けていたと訴えて話題になっています。

2人は現在も3人の子どもの親権を巡る泥沼裁判を続けているほか、かつて共同で所有していた南フランスにあるワイナリー「シャトー・ミラヴァル」を巡っても争っています。かつて「ブランジェリーナ」と呼ばれて一世を風靡したハリウッドのパワーカップルだった2人の、離婚申請から8年経っても終わらない泥沼愛憎バトルを時系列で振り返ります。

アンジェリーナ・ジョリー(左)ブラッド・ピット(2014年3月撮影)
アンジェリーナ・ジョリー(左)ブラッド・ピット(2014年3月撮影)

■出会いは2003年、11年後に正式に夫婦に

2005年公開の映画「Mr. &Mrs.スミス」での共演がきっかけで出会った2人は、撮影中に恋仲になったとされています。当時ジェニファー・アニストンと婚姻関係にあったピットをジョリーが略奪する形で交際が始まり、06年に娘シャイロさんが誕生。3人の養子と双子の末っ子にも恵まれ、順調に愛を育んだ2人は、交際7年目にして晴れて婚約。14年にシャトー・ミラヴァルで挙式し、正式な夫婦となりました。

■DVがきっかけで16年9月にジョリーが離婚を申請

フランスから帰国するプライベートジェット機内で泥酔したピットが、自身や子どもたちに暴力を振るったとしてジョリーが、6人の子ども全員の単独親権を求めて離婚を申請。この時、暴力を振るわれたとされる長男マドックス氏とは今も絶縁状態だと言われています。

3カ月後にジョリーが一時的に監護権を手にし、ピットはカウンセラー立ち合いの元でのみ子どもたちと面会することが許されました。

■19年に正式にシングルに

2人はシングルに戻った後も争いを続け、21年になってようやく判事が共同親権を暫定的に与えることを認める判決を下し、5年に及んだ親権争いが決着したかに見えました。しかし、判決を不服とするジョリーが控訴。判決を下した判事とピットとの間に個人的なつながりがあると訴え、判事を解任させることに成功したことで振り出しに戻ります。

■シャトー・ミラヴァルの所有権を巡って22年にピットが提訴

ピットがワイン作りに情熱を注ぐシャトー・ミラヴァルを巡って、ジョリーが所有していた50%の権利を自身に無断でロシアの大富豪に売却したとして新たな訴訟が勃発。同意なく売らないとの合意を破ったと主張し、売却は不当だとして損害賠償を求めています。

もともと60%の権利を所有していたピットは、結婚を機に10%分を1ユーロでジョリーに譲ったのは「愛の誓い」だったと主張。10%の分の取引は無効で、自身が60%の権利を所有すると訴え、法廷で争っています。

■ジョリーがワイナリーを巡る裁判でピットの過去のDVを訴える

ジョリーの弁護士が裁判所に新たに提出した書類の中で、ピット側に所有権の譲渡を先に提案したものの過去のDVに関する秘密保持契約を求められたことから交渉が決裂したと主張していることが明らかに。ジョリーは2016年9月以前から虐待を受けており、それについて口外しないよう求められたと主張しています。

一方、親権を巡る裁判では次女シャイロさんが来月18歳になることから、残る未成年は15歳の末っ子2人のみとなるため、もはや争いの意味をなさなくなってきたことからピットは共同親権を放棄するとも伝えられています。正式離婚が成立する前の最終段階にあるとの報道もあり、8年近くに及んだ争いが決着する日が近いと見られています。

■ピットは新恋人と同棲中

ピットは、22年秋から交際しているジュエリーデザイナーの恋人イネス・デ・ラモンさんと同棲をスタートさせたと報じられるなど新たなパートナーとの生活をスタートさせています。一方のジョリーも最近のインタビューで長引いた法廷論争が片付いたあかつきにはアジアに移住したいと話しており、今年は長年の争いに終止符を打ち、再出発できるのか注目されています。

【千歳香奈子】(ニッカンスポーツ・コム/芸能コラム「ハリウッド直送便」)