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ハリウッド直送便

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◆千歳香奈子(ちとせ・かなこ) 1972年札幌生まれ。92年に渡米。96年に日刊スポーツ新聞社アトランタ支局でアトランタ五輪取材をアシスタント。99年6月からロサンゼルスを拠点にハリウッドスターのインタビューや映画情報を取材中。

ブラッカイマー氏ディズニーとの契約解消

[2013年10月1日11時15分]

 「パイレーツ・オブ・カリビアン」シリーズや「アルマゲドン」「パールハーバー」など、大ヒット映画を数多く手掛けてきたハリウッドの敏腕プロデューサー、ジェリー・ブラッカイマー氏が、ディズニーとの22年に及んだ契約を解消することが明らかになりました。

 22年間で27本もの映画を手掛けたブラッカイマー氏は、全世界で40億ドルもの興行収入をあげた「パイレーツ」シリーズなど何本ものドル箱映画を生み出し、実に90億ドルもの興行収入をディズニーにもたらせたと言われています。来年で現在の提携契約が切れるため、契約更新の交渉が行われてきましたが、今夏の「ローン・レンジャー」の大コケで日本円に換算するとおよそ200億円もの損失を負ったことが大きな引き金となり、契約が更新されないことが決まったのです。

 今夏に鳴り物入りで公開されたジョニー・デップ主演の「ローン・レンジャー」の大コケにより、ディズニーはなんと1億9000万ドルの損失を計上する見通しであると報じられ、その直後からブラッカイマー氏のヒット神話にも陰りが見え始めていました。

 実際に、ここ数年は「プリンス・オブ・ペルシャ」「魔法使いの弟子」などプロデュース作品がいずれも興行的に芳しくない結果に終わっており、かつてのヒットメーカーの面影が薄れていたのも事実です。その証拠に、ディズニーは15年公開予定のデップ主演のドル箱「パイレーツ」シリーズ第5弾の契約見直しを行い、ブラッカイマー氏はプロデューサーとして、最終完全版の編集権限を失い、製作費の削減は免れないだろうと報じられていました。

 また、かつてのディズニーはブラッカイマー作品に依存してきましたが、近年は傘下のピクサーやマーベルからも「アベンジャーズ」のような大ヒット作が多数生まれているほか、昨年はルーカス・フィルムを買収して「スターウォーズ」シリーズなどのヒット確実の作品を手掛けることも決まっており、ブラッカイマー氏に頼らずとも自社プロダクションでも充分にヒット作を生み出せるという自信の表れとの見方もあります。ディズニーは新たな戦略として、自社作品に加えて、ピクサー、マーベル、ルーカス・フィルムが抱える作品に今後は力を注ぐことを選択したと言うことでしょう。

 ディズニーとは契約が残っている「パイレーツ」シリーズ第5弾、ニコラス・ケイジ主演の「ナショナル・トレジャー3」などに関しては今後も一緒に仕事をするようですが、新作は他のスタジオからリリースすることになります。パラマウント・ピクチャーズとトム・クルーズ主演の「トップガン」の続編やソニー・ピクチャーズと「バッド・ボーイズ3」などの企画が持ち上がっているので、来年以降はディズニー以外のスタジオでプロデュース力を思う存分発揮することでしょう。

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