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ハリウッド直送便

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◆千歳香奈子(ちとせ・かなこ) 1972年札幌生まれ。92年に渡米。96年に日刊スポーツ新聞社アトランタ支局でアトランタ五輪取材をアシスタント。99年6月からロサンゼルスを拠点にハリウッドスターのインタビューや映画情報を取材中。

ハリウッドで相次ぐ熟年カップルの離婚や別居

[2013年10月8日11時1分]

 今ハリウッドで、熟年カップルの離婚・別居が相次いでいます。

 8月末に映画「マトリックス」シリーズなどで知られるモニカ・ベルッチが、仏俳優ヴァンサン・カッセルと14年の結婚生活を終わらせ、離婚することが明らかになりました。

 そして、同じころに、今度はおしどり夫婦として知られていたマイケル・ダグラスとキャサリン=ゼタ・ジョーンズの別居が発覚。さらにその数日後に、クリント・イーストウッドが17年連れ添った妻で元キャスターのディナ・ルイスと1年以上前から別居していることが明らかになり、相次ぐ大物スターの離婚に米メディアも大わらわでした。そんな中、今度はリチャード・ギアと女優キャリー・ローウェルが11年の結婚生活にピリオドを打って離婚するとのニュースが飛び込みました。

 わずか1か月の間に、なぜこれだけ熟年カップルの離婚・別居が起きているのでしょうか。彼らに共通することは何なのでしょう?

 イタリアの宝石と呼ばれるベルッチとフランス人のカッセルは、いわゆる国際結婚。96年に「アパートメント」で共演したことがきっかけで3年後に結婚し、2人の子供をもうけています。しかし、結婚14年、交際から数えると18年近くなりますが、お互いそれぞれイタリアとフランスで仕事をしているために、別々に生活することが多かったと言います。互いに自立し、尊重しあう理想の夫婦に見えましたが、互いに結婚は長続きしなかもしれないとインタビューで答えていたことも。やはり離れ離れのすれ違い生活が離婚の原因となったのではないでしょうか。

 25歳の年の差ながらダグラスとゼタ=ジョーンズは、おしどり夫婦と言われてきたハリウッドの大物カップル。幸せそうに見えた2人ですが、ここ数年は波乱万丈の結婚生活でした。

 09年にはダグラスの前妻との間の息子が薬物所持の容疑で逮捕。翌夏にはダグラスが喉頭がんを宣告され、ゼタ=ジョーンズは仕事をキャンセルして看病に当たり、翌年にはがんを克服したことを宣言。しかし、ストレスから今度はゼタ=ジョーンズが双極2型障害を発症してリハビリ施設に入所。さらに、今年に入ってダグラスが、がんの原因はオーラルセックスによるものだと発言して大騒動に。ゼタ=ジョーンズはその件に関して沈黙を守りぬいていますが、内心はかなり激怒したことでしょう。

 この一件が引き金になって離婚かと思われましたが、どうやらゼタ=ジョーンズは結婚生活の継続を望んでいるものの、ダグラスの方の愛情が冷めてしまったようです。もともとプレイボーイで、セックス依存症だったダグラスだけに、愛情が冷めた故の爆弾発言だったのかもしれません。

 イーストウッドと35歳年下のルイスの離婚騒動もかなりなもの。

 2人は1年以上前から別居していたと言いますが、イーストウッドの新恋人として浮上した女性は、なんとルイスの不倫相手の元妻だったことが発覚。しかも、4人は家族ぐるみで付き合う仲で、元妻の女性がイーストウッドに夫とルイスさんの浮気について相談するうちに親しい関係になったと言われています。

 実は昨年、イーストウッド一家の私生活に密着したリアリティー番組「Mrs. Eastwood & Company」が放送されて、驚きの声が上がっていました。もともとハリウッドの喧騒を嫌うオスカー常連のベテランが出演するような類の番組ではないからです。B級セレブがやるような番組に合えて出た理由は、ディナさんの希望があってのことでしょう。

 番組のタイトル通り、実際にはイーストウッドの登場は数回で、妻のルイスと娘たちの私生活に密着した内容でしたが、この頃から夫妻の間には修復不可能な大きな溝ができていたことは間違いありません。

 ギアと言えば、かつて17歳年下のスーパーモデル、シンディ・クロフォードと結婚していましたが、4年で結婚生活が破たん。その後、12歳年下のローウェルと再婚したわけですが、お互いの性格と望むライフスタイルがまったく違ったことが離婚の原因だったようです。共にチベット仏教を信仰している2人ですが、ニューヨーク郊外の自宅で静かにゆったり過ごすことを望むギアに対し、社交的な性格のローウェルは社交界での華やかな暮らしを望んでいたと言います。そんな異なったライフスタイルが、結婚生活を維持する妨げとなったようです。

 近年は若者だけでなく、熟年カップルの離婚も多いハリウッドですが、見渡せば、ダスティン・ホフマンやメリル・ストリープ夫妻など、円満な結婚生活を続けている熟年カップルもいます。大切なのは、お互いを尊敬し、尊重しあう気持ちと、価値観の一致なのではないでしょうか。

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