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万波佳奈と囲碁しましょ

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【第9回】石が生きるためには本物の眼がふたつ以上

1図
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2図
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3図
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4図
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5図
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6図
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7図
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8図
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9図
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10図
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 前回は石の生き死にをやりました。いかがでしたか? ちょっと難しかったかな?

 でもこの生き死にをマスターすれば、囲碁の面白さがアップすること、間違いないですよ!

 第9回は「石の生き死に」の第2弾のお話。

 前回は「部屋がふたつ以上あれば、生きている」とご説明しました。この部屋のことを囲碁用語で「眼」といいます。

 今回は「眼にも本物と偽物がある」ということをお伝えしていきます。

 本物? 偽物? うーーん。と思われた方が大半だと思います。でも大丈夫。その判断はある方程式を使えば、簡単に分かります。 大事なのは、

「石が生きるためには、本物の眼がふたつ以上あること」

ということです。

 まずは<1図>を見ていただきましょう。

 一見すると、上と下に白の眼がふたつあり、生きているように見えますね。けれども上の眼は<2図>のように、黒1と入られてしまいます。

 実は白の眼は下のひとつしかなく、この白は「死んでいる石」ということになります。この場合は、上にある眼が「偽物の眼」、下の眼が「本物の眼」です。

 では本物をどう判断すればいいのでしょう?

 <3図>。まず中央にある眼の場合です。中央の眼はナナメ(□)の位置に「自分の石が3つ以上あれば、本物」になります。「相手の石がふたつ以上あると偽物」です。

 <4図>。辺と隅にある眼の場合です。

 この場合は、

 「辺はナナメの位置(□)に自分の石がふたつあれば本物」

 「隅はナナメの位置(□)に自分の石がひとつあれば本物」です。

 この3つの方程式はぜひ覚えてしまってくださいね。ナナメの位置を確認するのがポイントです。ではそれを踏まえたうえで問題を解いてみましょう!

 <5図>。この黒は生きているでしょうか? 死んでいるでしょうか? 大きな形ですが、それぞれの眼のナナメに注目してくださいね。

 正解は「生きている」です。

 <6図>。□がそれぞれのナナメの位置になります。隅の眼のナナメにはひとつ、中央の眼には3つ自分の石がきていますので、それぞれ本物の眼となります。本物の眼がふたつあるので、生きています。

 <7図>。この黒は生きているでしょうか? 死んでいるでしょうか?

 正解は「死んでいる」です。

 <8図>。ふたつとも辺にある眼なので、本物であるためにはナナメ(□)に自分の石がふたつないといけません。左の眼はナナメにふたつ自分の石がきていますが、右の眼は片方に白の石がきていますね。

 なので、本物の眼がひとつしかないため、死んでいます。

 いよいよ最終問題です!

 <9図>。この白は生きているでしょうか? 死んでいるでしょうか? 眼がたくさんあって悩みますね。ひとつひとつ確認してみましょうね。

 正解は「死んでいる」です。

 <10図>。□がそれぞれの眼のナナメの位置です。左の眼はナナメに自分の石がふたつきているので、本物の眼。中央の眼は、ナナメに自分の石がひとつ、相手の石がひとつなので、偽物の眼です。右の眼はナナメに相手の石がきていますので、偽物の眼になります。

 よって本物の眼がひとつしかないので、この白は「死んでいる」ということになります。

 「生き死に」いかがでしたか? 「眼がふたつ以上あると生き」「眼には本物と偽物がある」このふたつさえ覚えれば、大丈夫ですよ!

 皆さま、ここまでたくさんのルールをよく覚えてきました(^^)V 素晴らしいですね!

 次回は実戦形式で、1局の碁を見ていきましょう。きっと楽しいですよ。

※最後の【第10回】更新予定は12月10日です。

[2013年12月3日11時2分]









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