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万波佳奈と囲碁しましょ

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【第10回・最終回】6路盤で実戦しましょ

1図
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5図
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6図
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9図
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10図
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 第10回の今回は実戦形式でやっていきましょう!

 初めての対局はドキドキしますよね。入門教室に参加くださる皆さまも、最初の対局は緊張した面持ちです。けれども意外なほどあっさり試合が進み、終局を迎えることができると、「面白いね!」と、あちらこちらでニコニコ笑顔が見られます。

 そしてもう1局、2局と進めていくうちに、余裕の表情で対局する姿がまぶしく映ります。今回の実戦形式もそんな雰囲気を感じ取ってもらえたらうれしいです。

 碁盤は6路盤を使いました。囲碁には様々なサイズの碁盤があり、主なもので6路、7路、9路、13路、19路があります。19路盤が公式の碁盤の大きさで、入門の方は19路盤を目指して勉強していきます。

 小さいサイズの碁盤も囲碁の魅力がふんだんに出ていて面白いのですよ! 今回6路盤を使ったのは、対局が短時間で終わること、小さいながらも攻防が2つ3つ体験できるという理由です。入門教室に6路盤を使うのはお勧めです。

 <1図>。ではまずその6路盤を見てみましょう。どこにも石がなくて、なにから始めていいかわからないですね。こんなときは中央あたりに打つと、今後の進行がわかりやすくお勧めです。

 <2図>。黒1と中央あたりに打ち、白も2とナナメに打ちました。ここで黒は陣地のイメージをします。上辺に陣地を作るのか、それとも右辺のなのか…。

 <3図>。黒は右辺に陣地を作ることを決め、黒3と右側に石を持っていきました。第5回でご説明した「陣地のイメージ」です。白も4と左側に陣地を作る展開に。ここまで黒白まったく同じ打ち方ですね。

 <4図>。黒はさらに陣地を広げようと黒5、白も6と打ち、これまた同じ打ち方です。ここで黒は考えました。このままでは両者同じ形の陣地になってしまう。どうすれば相手よりも広げられるのだろうか…。

 <5図>。ここで黒は思い切って、黒7と陣地を広げつつ、白地に入っていくような打ち方をしました! この手はとてもいい手なのです。勝利をつかむためには、ときには思い切った打ち方が必要になります。

 <6図>。白は8と「これ以上は入ってきてはいけません」と黒の侵入を阻止し、黒は危ないナナメを守るために黒9と打ちました。第6回の「危ないナナメ」覚えていましたか? もし黒がなにも守らないと、白に9の地点に打たれ、せっかく頑張って打った黒7の石が取られてしまうのです。よかったらご確認くださいね。

 <7図>。白10に黒11とお互い壁が下辺にまでたどり着きました。まだ壁が未完成なのは上辺ですね。

 <8図>。ここで白も思い切って白12と黒地側に入ってみました。白、いい気合です。黒も侵入を止めるために黒13と打ちます。

 <9図>。白は黒13と打たれたことで、白12の石がアタリになりましたので、白14と守ります。

 さきほどの、黒7の侵入→黒9の守り、のように、攻めの手のあとは、必ず守りまでをすることを忘れないようにしましょうね。

 黒も危ないナナメができましたので(15の地点)、黒15と守りました。お互い攻防がうまくできています。

 さあ、これで上辺の壁もできあがりました。ここで全体を見てみましょう。

 <10図>。お互いの壁が上辺から下辺まできれいにできました。黒地は右側、白地は左側ですね。囲碁はお互いがパスをし合えば終局になります。白、黒、ともにパスをしましたので、ここで終局となりました。

 陣地はいったい何目なんでしょう。

 <11図>、黒地は□、白地は△で表示してあります。

黒地は11目、白地は10目で、黒の1目勝ちとなりました。

 <12図>。最後に全手順を載せますね。総手数15手の対局でした。

 いかがでしたか? 陣地のイメージ、陣地を広げる攻防などを感じ取っていただけたらうれしいです。「思ったより簡単だった!」とも思っていただけたなら、よりうれしいなあ。

 第1回からのルール説明に始まり、対局のコツ、追加のルール説明、そして最後は実戦と、読者の皆さまにはずっと読んでいただき、心から感謝しております。もう皆さまは囲碁は完璧です! あとは是非どんどん対局をして、囲碁の面白さにじかに触れてみてくださいね。

 拙い説明ばかりでしたが、読んでいただきまして、本当にありがとうございました。

[2013年12月10日11時17分]









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