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万波佳奈と囲碁しましょ

佳 奈 裏 話 佳奈のここだけのハナシ

自分に合った勉強方法なら上達も早いですよ

私と奈穂(手前)は碁会所でたくさんの方に対局をしていただきました
私と奈穂(手前)は碁会所でたくさんの方に対局をしていただきました

 囲碁の勉強ってどんなことをするんだろう? 疑問に思われる方も多いようで、よくご質問をいただきます。

 囲碁の勉強は大まかに分けて、下記の4つです。

 1)棋譜並べ

 2)問題解き

 3)練習試合

 4)仲間との研究

 棋譜並べと問題解きは、おもにひとりで行うものです。

 棋譜並べは、棋士同士の棋譜や古碁を再現し、自分なりに一手一手を研究していく勉強方法です。

 部屋の真ん中に碁盤を置き、棋譜が印刷された紙を片手にひたすら黙々と碁盤に碁石を打ちつける。

 うーん。ちょっと怖い光景ですね(笑い)。でも大事な勉強方法で、私も棋譜並べが好きでよくこの勉強をしていました。

 1局を3回ほど繰り返し並べたり、棋譜をたくさん印刷して、これを並べなければ強くなれないぞ! と自分に鞭打ったり……えっ!? 今ですか? 繰り返しの回数も、印刷した枚数もちょっぴり減ってしまっているようで…(汗々々)。

 問題解きは、詰碁やヨセの問題を解く勉強です。問題さえあれば気軽にできるので、電車の中などでよくやっていました。

 詰碁の解く早さで驚愕したのが、鈴木歩ちゃん(鈴木歩6段)!

 国際戦で一緒になることが多く、試合の前日など選手メンバーが部屋に集まり、練習碁や問題を解いて、勉強していました。歩ちゃんは問題を並べた2~3分後には、「できた^^」。

 かなり難しい問題ばかりだったのですよ! けれどもその後次々と問題を解いていく歩ちゃん。私も負けじと必死に考えるのですが、分からないうえに、できたと思っても不正解…。歩ちゃんは正解率もものすごく高いのです。というか不正解のところを見たことがないかも。

 歩ちゃんいわく「詰碁はパズルみたいで面白い」とのことです。私から見ると「詰碁は頭が痛くなって眠くなる」のですが…この違いは一体なんだろう。

 「練習試合」と「仲間との研究」は棋士仲間が集まって行う勉強です。練習試合はおもに早碁が多く、一手10秒や20秒の試合を何局も打ちます。早碁を打つと、感覚が鍛えられるのです。

 私の早碁は思わぬところでパンチが出たり、思わぬ棋士に勝ったりしましたので、「予想外」と言われたことがあります。予想外って…自分なりに一生懸命打っているんだよ~(泣)。

 仲間との研究は、最近あった大一番などの棋譜をみんなで並べ、自分たちの意見を言い合いながら研究を進めていきます。

 この勉強がおもしろい!

 それぞれの棋士の考え方がよくわかり、「こんな感覚もあるんだ!」と新鮮な気持ちになれます。とくに超一流の先生の意見を聞けるときは、耳がダンボになっています。超一流の先生方の感覚と読みの深さは次元が違うのです。

 みんながワイワイ意見を出し合う光景、想像してもいい雰囲気ですよね。この研究はお隣の国、中国ではかなり徹底しているそうです。超一流棋士から年端もいかない子までが集まり(全員囲碁のエリート集団です)、1局の碁を何時間もかけて研究するのだとか。それも序盤からヨセまでほぼ全手順を徹底して行うそうです。

 私もこの研究を直接見たわけではないのですが、中国の棋士は国を背負っているという思いから、本当に命を削って勉強をしているイメージがあります。すごい国だと思います。

 今回は囲碁の勉強のことを書きましたが、いかがでしたか? ちょっと変わった世界の囲碁。勉強方法も面白いと思います。 囲碁が強くなりたい! という方がいらっしゃいましたら、上記の勉強方法をぜひ試してみてくださいね。嫌いな勉強方法を無理やりする必要はないと思います。自分に合った勉強を見つけ、それを徹底してやるのも、とてもいいと思いますよ。

[2013年12月3日10時42分]

展望台にも碁盤を持って行き対局しました。打っていただいているのは宮沢吾朗9段です。超一流の先生に打っていただけ、とても緊張しました
展望台にも碁盤を持って行き対局しました。打っていただいているのは宮沢吾朗9段です。超一流の先生に打っていただけ、とても緊張しました
対局を見てくださっているのは中国の偉大な棋士、馬暁春9段です。私このときも手が震えていました(中国で行われた世界戦から)
対局を見てくださっているのは中国の偉大な棋士、馬暁春9段です。私このときも手が震えていました(中国で行われた世界戦から)
こちらも世界戦での光景。棋士が打った対局をみんなで真剣に検討しています。左が私、右後方が奈穂
こちらも世界戦での光景。棋士が打った対局をみんなで真剣に検討しています。左が私、右後方が奈穂








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