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異色のジョイント「プロレス・ディナーショー!」


リングの上で熱唱する深見東州氏
リングの上で熱唱する深見東州氏

 オペラ歌手で能楽師、実業家として活躍する深見東州氏(63=本名・半田晴久)が9日、東京・ホテル椿山荘東京で「X‘mas チャリティー・プロレス・ディナーショー!」(主催・東京芸術財団、共催・ISPS)を開催した。南アフリカにあるレソト王国のエイズ撲滅を目的としたイベントで、9月の「ロックコンサート」、11月の「演歌コンサート」に次ぐ第3弾。約520人の参加者たちは、ディナー、クリスマスソング、プロレスの異色のジョイントを心行くまで楽しんだ。

深見氏のオリジナルX‘masソングでスタート

 ホテルの大宴会場、中央にプロレス用のリングがデーンと置かれている。それを取り囲むようにディナー用のテーブルが50ほど。立派なステージもある。そこからリングに通じる花道が延びる。ホテルの宴会場を利用してのスポーツイベントは珍しく、何とも見慣れない光景に参加者は目を見張った。

 ステージ上をまばゆい照明が照らす。いよいよ開幕だ。深見氏がサンタクロースの衣装を思わせる赤のジャケットでステージに登場すると、拍手がわき起こった。「見たことのないようなセットでしょう」と笑いながら話す。飲み物でのどを潤したあと、オリジナル曲の「君のいないクリスマス」「あなたのいるクリスマス」「クリスマス計画」を歌った。3曲目で早くも客席が総立ちになった。

深見氏の生歌で初代タイガーマスク(右から2人目)らが入場
深見氏の生歌で初代タイガーマスク(右から2人目)らが入場

 「赤鼻のトナカイ」「ジングルベル」「サンタが町にやってくる」「ホワイトクリスマス」をメドレーで歌った後は「明るくハッピーな曲を歌います」。ルイ・アームストロングの「What a wonderful world」とエディット・ピアフの名曲「バラ色の人生」をしみじみと聴かせた。

 次は日本のクリスマスソングの定番、松任谷由実の「恋人がサンタクロース」、山下達郎の「クリスマス・イブ」を楽しそうに歌った。2人にまつわるおもしろエピソードや物まねを披露して場内が盛り上がる。ここで早くも1時間が経過し、世界のクリスマスソングの代表として「The Christmas Song」「アメージング・グレイス」。最後はろうそくに火をつけてリングに登場。場内も暗転し、ろうそくの明かりだけになった幻想的な雰囲気の中で、「きよしこの夜」で締めた。クラッカーがはじけ、参加者たちは口々に「メリークリスマス!」と叫び、お祝いした。

リングにダンプ、天龍、曙、初代タイガーら

Sareeeはダンプ松本にフォール勝ちしガッツポーズ
Sareeeはダンプ松本にフォール勝ちしガッツポーズ

  じっくりと歌を聞いた後は、空気が一変した。リングが明々と照らし出され、深見氏は特別解説者として放送席に移動した。第1試合は井上京子、Sareee(サリー)、三田英津子組対ダンプ松本、山田敏代、伊藤薫の6人タッグ。ダンプ側の特別セコンドにブル中野と悪役レフェリーの阿部四郎が控える。

 ダンプが竹刀を振り回し、ブルがリング下から相手の足を引っ張って場外に引きずり下ろす。標的になったのは18歳のサリー。さんざん痛めつけられたが、一瞬の隙を突いてダンプにフォール勝ち。収まらないダンプは竹刀を持って放送席を襲撃したが、深見氏はすでに避難したあとだった。

 第2試合は203センチ、210キロの曙対「戦う寿司職人」のSUSHI。曙は逃げ回るSUSHIにイラついたが、ボディープレス3発でスリーカウント。第3試合はヒロ斎藤、ザ・グレート・カブキ対天龍源一郎、西村修のレジェンド対決。手を取り合っての力比べ、チョップとエルボースマッシュ、グーパンチと逆水平チョップの応酬が続く。派手ではないが、技と技の間の取り方などはさすがに超一流だ。斎藤が西村を抑えて決着。

天龍源一郎(右)の逆水平チョップがザ・グレート・カブキにさく裂
天龍源一郎(右)の逆水平チョップがザ・グレート・カブキにさく裂

 第4試合はラッセ、気仙沼二郎、日向寺塁対ザ・グレートサスケ、初代タイガーマスク、スーパータイガーの6人タッグ。いきなり場外乱闘が始まり、観客が逃げ惑う。一段落した後は空中殺法の応酬。最後は初代タイガーが日向寺をツームストーンパイルドライバーで仕留めた。

 試合終了後はプロレスラーが、プレゼントをいっぱい詰めた袋を背負って登場。深見氏が2曲歌っている間に各テーブルを回って手渡した。特別リングサイド席を購入した60人がリングに上がり、プロレスラーと握手をしたり記念写真を撮って楽しんだ。

能の「序破急」によるプロデュース

 深見氏は「この企画は一見バラバラの組み合わせのようですが、能の『序破急』によるプロデュースなのです」と話す。序破急とは雅楽や能などで楽曲を構成する際に用いられる言葉。曲を構成する3つの部分を指す。「序」が無拍子かつ低速度で展開され、太鼓の拍数のみを定めて自由に奏される。「破」から拍子が変わり、「急」で加速が入り3部構成を成す。

 この日の構成を分類してみると、椿山荘の静寂な庭と食事が「序」。歌とバンドで楽しむ「破」。プロレスで熱狂し、クリスマスを満喫する「急」に分かれるという。自身が能楽師であり、能楽イベントをプロデュースしている、深見氏ならではの概念がしっかりと貫かれていたのだ。










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