世界最高級の性能を誇る日本のすばる望遠鏡(米ハワイ島)が、目に相当する巨大なカメラを交換し、世界で初めて「アンドロメダ銀河」の全体像を収める鮮明な写真の撮影に成功した。国立天文台が公開した。

 これまでアンドロメダ銀河の姿は部分的に撮影して合成していた。今回、1999年の観測開始から初めてとなるカメラの交換により、すばる望遠鏡の広い視野をさらに7倍近く広げ、ほぼ全体を一度に捉えた。極めて鮮明な映像で、1つ1つの星を判別できるという。

 今後は広い視野を生かして、数億個の銀河を精密に計測。宇宙最大の謎である暗黒物質や暗黒エネルギーの解明に挑戦する。開発には浜松ホトニクスやキヤノン、三菱電機が携わった。プロジェクトを率いた天文台の宮崎聡准教授は「日本の技術を結集した世界最強のカメラ。ノーベル賞がもらえるか分からないが、暗黒エネルギーの研究で日本発の成果を出したい」と、オールジャパンに自信をみせた。