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たかじんさん妻、故人の知人にも民事訴訟

 昨年1月に亡くなったタレントやしきたかじんさん(享年64)の最後の妻・家鋪さくらさんが、たかじんさんの元弟子への損害賠償請求とは別に、故人の30年来の知人男性Aさんに対し、慰謝料1000万円を求める民事訴訟を起こしていたことが18日、分かった。

 今後さらに、さくらさんが名誉を傷つけられたとして訴訟に発展する件数が増える可能性も出てきた。

 訴状によると、Aさんは昨年5~11月にかけ、自身のブログに、さくらさんが「余命5カ月と言われたたかじんさんに入籍を迫り、ベンツや高級腕時計を求めた」「嫁(さくらさん)がマネジャーをクビにして、財産を嫁と親族で独占した」などとつづった。

 さくらさん側は、Aさんがたかじんさんと「30年来の知人」と記述していることで信用性を高め、自らの名誉を傷つけられたとして、慰謝料請求訴訟を大阪地裁に起こした。さくらさんが起こした裁判は、これで2件目になった。

 この日は、たかじんさんの80年代当時の弟子だった歌手打越元久氏(56)に対し、名誉毀損(きそん)による1000万円の損害賠償を請求した裁判の第1回口頭弁論が大阪地裁で行われ、さくらさん側の代理人の吉田朋弁護士は「今後(裁判が)まだ増える可能性はあります」と話した。

 たかじんさんをめぐる訴訟トラブルは、さくらさんの話をもとに作家百田尚樹氏がノンフィクションとして昨年11月に出版した「殉愛」がきっかけ。たかじんさんの長女がプライバシーを侵害されたとして、発売元の幻冬舎に対し、出版差し止めなどを求めた訴訟を東京地裁に起こした。

 この「殉愛」をテーマに、たかじんさんの元弟子の打越氏がインターネットラジオで、さくらさんが故人の遺志とは無関係に相続財産を私物化しているなどと発言。さくらさんは、打越氏に損害賠償請求訴訟を起こすに至った。

 さくらさんの代理人弁護士によると「昨年11月下旬か12月上旬」に、出版差し止め訴訟の相談と前後して、さくらさんから訴訟の相談があった。さくらさんは「ひどい」と言い、打越さんに対しては「弟子なら、そういう発言はしないんじゃないか」と憤っていたという。

 これらの流れから、さくらさん側は、自らの名誉を傷つける発言、出版物、インターネット上の書き込みなどをチェックしており、代理人弁護士も今後、訴訟が増える可能性を認めている。

 豪快なキャラクターで、関西では絶大な人気を誇ったたかじんさん。死去から1年が過ぎても、関西地区では冠がついた3番組が継続放送されている。昨年11月発売の「殉愛」も、たかじんさんの晩年の闘病が赤裸々につづられ、大きな反響を呼んだ。

 しかし皮肉にも、この「殉愛」が訴訟トラブル続発の引き金を引いた形になった。この日の裁判で被告になった打越氏の代理人・原田裕弁護士も「あの本が世に出ていなければ、裁判にはなっていないのでは」と話している。

 亡くなって1年余、たかじんさんの存在感が、思わぬ形であらためて示された。

 [2015年2月18日18時12分]









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