21日に膵臓(すいぞう)がんのため死去した歌舞伎俳優坂東三津五郎さんの訃報から一夜明けた23日、歌舞伎役者市川海老蔵(37)が、日刊スポーツの取材に応じ、心境を語った。

 「言葉にならないです。ご恩を大変いただいた方なので、悲しいですし、つらいです。ただ、悲しむことも大事ですが、お兄さん(三津五郎さん)は、歌舞伎界が前に進んでいくことを一番に考えていた方です。ここでアクセルを踏んで、もっと歌舞伎のことを考えて、頑張っていかなければいけないと思いました」

 この日の朝、海老蔵はブログを更新し「いろいろあります。しかし現実…前に進むしかない…と覚悟を決める朝です」「なにがあっても変わらない朝を選択します」などとつづった。さらに、歌舞伎界について「伝統とは火を伝える事と似ている。油を絶やさずに火を灯をともし続けることと、油を絶やすことを油断という。油断していないつもりでも灯は消える事はあるのだろうか…伝統の中での油断は誠に禁物である」と説明。継承者として「終わりのない芸の世界、さらに終わりが遠のいた、やるしかない、ただやるしかない、粛々と続ける事、それしかないです」と決意をつづった。