歌手ASKA(本名宮崎重明、57)が19日、東京地裁で、自身に合成麻薬MDMAと覚せい剤を譲渡したとして、麻薬取締法違反(営利目的譲渡)の罪などに問われた暴力団幹部安成貴彦被告の第5回公判に証人として出廷した。

 昨年9月に懲役3年執行猶予4年の有罪判決を言い渡されて以降、公の場に姿を見せるのは初めて。証言台は被告や傍聴席から見えないように3枚のついたてで隠されていたが、紺色のスーツに青色系統のネクタイを締めた黒縁眼鏡姿だった。頬はややこけて、ウエストはふっくらしていたという。午後1時半の開廷直後、証言の宣誓をする際、「証人宮崎重明」などと話す声は、自身の公判でのかすれ声とは違い、マイク越しながらしっかりと落ち着いていた。

 検察からの尋問に答える形で、よどみなく覚せい剤使用の様子なども語った。覚せい剤を1日3回、「あぶり」と呼ばれる手法で吸引していたこと、使用するとリラックスできたなどとして「止められなかったんだと思います」と話した。 安成被告は無罪を主張。だが、同法違反などの罪で実刑判決を受け、控訴している無職の男が、薬物を持ってASKA宅を訪れた際、電話で「やすなり」という名前を何度も話していたと証言した。

 次回公判は31日に行われる。