先月15日に肺がんで死去した司会者、俳優の愛川欽也さん(享年80)の妻でタレント、うつみ宮土理(71)が10日、東京・中目黒の劇場キンケロ・シアターで会見し、鎮痛な思いを語った。憔悴(しょうすい)しきった表情で声もかすれていた。

 書面でのコメントは発表していたが、初めて自身口で語った。

 「心の中に大きな穴がぽっかりあいたよう。その穴を埋め尽くせない。愛川とは毎日毎日、笑いあってすごしていました。こんなに人生が、悲しくて、つらくて、さみしくて、いとおしくて…。一緒に同じ天国に行ってしまえたら、と何度も何度も思いました」

 入院は1度もしなかった。「愛川は家が好きだったから。私の横にいることが好きだった」と、在宅療養を選んだ。仕事復帰を願う愛川さんの手を、うつみは最後まで握り、「早く仕事に絶対復帰しようね」と語り掛けていたという。

 「強かったその手はどんどん弱くなっていきました」

 愛川さんの最後の様子を聞かれると「言えますか? 言えません。悲しすぎて…そんな質問は酷です」と大粒の涙を流した。

 愛川さんが亡くってからは、悲しみのあまり外出もできなかった。所属事務所によると、今日の会見で初めて家を出たという。自宅でも「遺骨が置いてある所に行くと、『何で死んじゃったの?』(と思う)。それからは遺骨をベットに運んで一緒に寝てます」と、声を振り絞った。

 結婚生活を回想し「全部が幸せでした。(天国で愛川さんが)『泣くなよ。笑ってよ』と言ってる気がします。でも笑えません。愛川欽也と結婚できて、最高に幸せでした。今はキンキンに感謝です」と話した。