カンヌ映画祭ある視点部門授賞式が23日(日本時間24日)フランス・カンヌで行われ、深津絵里(42)と浅野忠信(41)主演映画「岸辺の旅」(10月1日公開)の黒沢清監督(59)が、監督賞を受賞した。

 ある視点部門は、革新的で独自な視点の作品を集めた部門で、1978年からスタートした。同監督は08年に「トウキョウソナタ」で同部門審査員賞を受賞して以来のカンヌ映画祭受賞で、日本人の同部門監督賞受賞は初めてだという。

 黒沢監督は受賞後、日本メディアの取材に応じ「監督賞は監督にあげるというより、作品全体に対する評価だと思っている。(監督)特定ではない、作品全体の質に貢献した人…結果、作品全体にいただいたと思っている」と語った。

 「岸辺の旅」は、深津演じるピアノ教師が、3年前の失踪から帰宅した浅野演じる夫から「俺、死んだよ」と告げられ、そんな夫の幽霊ともに、夫がたどった3年間をたどる旅をする物語。黒沢監督は深津と浅野へ「おふたりの力があったから、人生を描くことができた。最大の感謝をささげたい」とメッセージを送った。

 最高賞パルムドールを争うコンペティション部門は、最終日の24日(日本時間25日)の授賞式で発表される。日本からは、綾瀬はるか(30)長沢まさみ(27)夏帆(23)広瀬すず(16)が4姉妹を演じた、是枝裕和監督(52)の新作「海街diary」(6月13日公開)が出品されている。(カンヌ=村上幸将)