昨年7月に脳出血で倒れて療養していた兄弟デュオ、ビリー・バンバンの菅原孝(70)が25日、仕事復帰した。TBSラジオ「大沢悠里のゆうゆうワイド」(月~金曜午前8時半)に弟の進(67)と生出演した。

 司会の大沢悠里(74)から「おめでとうございます」と復帰を祝福されると、孝は「ただいま。本当にありがたい」と元気な声であいさつした。

 出演後、取材に応じた。まだ左半身にまひが残っているため、車いす姿だった。歩行は難しいが、立つことはできるという。「復帰はやっぱり1時間半とか、2時間のコンサート終わって汗かいてから。まだ喜びは中くらいかな」と話したが、表情は笑顔だった。

 言葉はスムーズに出てくるが、孝本人はまだ声に違和感が残っているという。「左の声帯もまひしてるのかな」といい、「やや、口角がひきつる。まだ倒れる前のころの出ていた声ではない。(歌声も)やさしい声になっちゃう。とんがった声なんだけど。歌う時、満足じゃないなと感じると思う」と話した。

 リハビリ専門の病院など4つの病院を周り、2月に退院した。現在は、通院しながらバランスをとる練習など、リハビリに励んでいる。

 来月16日に山梨県でBS朝日の番組収録で3曲を歌う予定だ。秋以降は延期された45周年コンサートツアーも開催する予定で、ライブや講演の依頼も多く来ているという。この日は「こういうこと(脳出血で倒れたこと)も僕の人生の中では必要なことだったのもしれない。ステージでは今までとは違う感動を与えられるのではと思っている」と話した。

 病気療養中は、進が1人で活動してきた。孝は「弟のハーモニーに合わせるのは、兄が一番。世界で一番うまい」。進も「兄がNO・1」と笑った。

 孝は昨年7月10日午前7時ごろ、実母(当時94)の介護のため訪れていた東京・国立市の実家のトイレで倒れているところを母に発見され、緊急搬送された。当時、母から進に連絡があり、進が対応した。進は普段、朝は携帯電話の電源を切っているという。だが、その日だけは電源をつけていた。孝は自分の命が救われた「奇跡」だとしみじみ語った。