今年夏放送のテレビ朝日系「ドラマスペシャル 陰陽師(おんみょうじ)」で、市川染五郎(42)が主人公の天才陰陽師の安倍晴明を演じ、堂本光一(36)がその相棒、源博雅を演じる。2人は岩手県奥州市で約1カ月間行われた収録で息の合ったところを見せ、続編への意欲も語った。

 原作は作家夢枕獏氏の人気小説。平安時代の都を舞台に、晴明と博雅がさまざまな事件を解決する。初共演の2人は尊敬し合い、刺激し合っている。染五郎は「ドラマは細かいカットの積み重ね。(堂本は)緊張感と集中力があるからずっと第一線でやってこられてる」。時代劇初挑戦の堂本は「染五郎さんは台本から抜け出たよう。いるだけで現場が完璧な空気感になる」と話した。

 染五郎は2人の縁も明かした。数年前、東京・日生劇場で公演中、約500メートル離れた帝国劇場で堂本が「SHOCK」を公演していた。階段落ちの評判を聞き染五郎も挑戦した。「『高低差では負けても段数は勝ちたい!』と刺激されてました」と笑わせた。

 獏氏も2人の起用を喜んでおり、続編の期待も膨らむ。一昨年の歌舞伎座で新作歌舞伎「陰陽師」で晴明を演じた染五郎は「獏さんは『題材は数限りなくある』とおっしゃっていた。またそういう世界に出合えたら」。堂本も「お話があればうれしい」と語った。

 ◆「陰陽師」の映像化 01年NHKで連続ドラマ化され、晴明を稲垣吾郎、博雅を杉本哲太が演じた。同年には野村萬斎、伊藤英明のコンビで映画「陰陽師」が公開され、興収30億円を超える大ヒット。03年に続編「陰陽師2」が公開。