女優井上真央(28)が、主演NHK大河ドラマ「花燃ゆ」後の初仕事として、人気児童文学作品が原作の3DCG(3次元コンピューターグラフィックス)アニメ映画「ルドルフとイッパイアッテナ」(来夏公開予定)の声優を務めることが30日、分かった。俳優鈴木亮平(32)とともに猫の物語を演じる。

 秋に「花燃ゆ」の撮影を終える井上は、次の仕事にアニメ映画の声優を選んだ。児童文学のロングセラー作品が原作の「ルドルフとイッパイアッテナ」で、飼い主とはぐれて東京で野良猫として生きる黒猫ルドルフを担当する。主人公と大河ドラマ後の自分の状況を重ね合わせて「ルドルフと同じように、私も新たな世界を冒険してみようと思います」とコメントした。

 井上は、昨年7月公開の映画「それいけ!アンパンマン りんごぼうやとみんなの願い」で、りんごぼうや役として声優に初挑戦し、好評を得ていた。岩佐直樹プロデューサーは「アンパンマンのりんごぼうやがハマッたように、井上さんの声は少年(黒猫)役にピッタリ。猫が成長していく過程を映画の中で演じ分けられる実力も考えると、彼女しかありえなかった」と起用理由を話した。

 一方、アフレコ初挑戦となる鈴木は「一見乱暴者に見えて、実は思慮深く心優しいイッパイアッテナを演じさせていただくことに、とても興奮しています」。岩佐氏は「鈴木さんの、王子様的イケメンではなくて、優しくて力持ち的な雰囲気やキャラクターが役のイメージに合っていた」と説明した。

 28年前に発売された原作は、全4冊で計90万部発行。63刷に達し、30代前半以下の世代にはなじみの児童文学作品だ。最近はディズニーの「アナと雪の女王」やピクサーの「モンスターズ・ユニバーシティ」、邦画でも「STAND BY ME ドラえもん」などの3DCGアニメが大ヒット。ジブリや細田守監督の手描きアニメ作品を輩出してきた、今作の製作にあたる日本テレビも、3DCGアニメに初挑戦する。「声優は理想通りになったので、最高の作品を作りたい」(岩佐氏)と意気込んでいる。