今年5月に亡くなった今いくよさんの生前のインタビュー映像が18日、京都国際映画祭で上映され、相方の今くるよ、シルクらが舞台あいさつで、いくよさんの思い出を語った。

 作品は、タレント木村祐一(52)が、吉本興業の所属芸人107組にインタビューした場面を収めたドキュメンタリー映画「ワレワレハワラワレタイ~ウケたら、うれしい。それだけや。~今いくよ・くるよ編」(公開日未定)。くるよも鑑賞し「ほんまに(いくよさんの死が)信じられへん。今日は隣に座って見てたと思う。絶対見てた」と話した。

 コンビは学生時代からの同級生で、生前、コンビ仲はとても良く、ほとんど行動をともにしていた。くるよは「今日(映像を見て)やっぱり思ったけど、我慢しいやったし、ひとっつも(学生時代から)変わってへんし…」。いくよさんの思い出を話し始めると、同じく相方を亡くし、いくよさんにもかわいがってもらったシルクが、いくよさんの秘話を明かした。

 海外ロケで一緒になったときだった。シルクは「空港で、シャネルの香水を見つけたけど、高いな~と思って、ながめて、帰りに買おうかと思って飛行機に乗った」そうだ。すると、いくよさんが「あんた、欲しかったの、これか?」と、その香水を差し出したという。さらに「あんただけに買うたら変やからな」と言い、西川かの子、メークスタッフら女性複数人の分も購入していた。

 気づかい、気配りの人らしい逸話を明かすと、くるよは「私といくよちゃんは、ずっと(ソフトボール部の)マネジャーとキャプテン。いくよちゃんは最後までキャプテンやった」。いくよさんは胃がんと闘い、入退院を繰り返していたが、仕事が入ると、復帰に備え、病院内を歩いて体力回復を図っていた。

 最後の舞台となった5月上旬の復帰前には、病院内を1時間ウオーキングしていたといい「ほんまに努力家で。(学生時代に)毎日、家で素振りしてたんと一緒でした」と語った。

 映画に収められた映像は、3年前、12年8月に撮影されたもの。映像の中で、いくよさんは、生まれ変われるならどうするかを聞かれ「普通の女の子に戻りたい」と笑わせ、独身を貫いたことには「結婚しなかったことは後悔していないけど、今度生まれ変わったら、そういう生活(結婚生活)もしてみたい」とも話していた。