ジョン・ウェインの西部劇に多く出演したことで知られる、アイルランド出身の名女優モーリン・オハラさんが米国時間の24日、老衰のため、アイダホ州ボイスの自宅で死去したことがわかった。95歳だった。

 家族はザ・アイリッシュ・タイムズ紙に、「悲しいことに、モーリン・オハラが今日、眠っている間に老衰で亡くなったことをお知らせします。彼女は愛する家族に囲まれ、安らかに息を引き取りました。皆で彼女の大好きな映画”静かなる男”からの音楽を聴きながら、彼女の人生を祝福しました」と語った。

 アイルランドのダブリンに生まれたオハラさんは6歳の時に女優の道に進み、ヒッチコック監督の「巌窟の野獣」で映画デビュー。39年の映画「ノートルダムの傴僂男」に主演するため、ハリウッドに移住した。41年、ジョン・フォード監督の作品で、アカデミー賞5部門を受賞した映画「わが谷は緑なりき」でウェインと共演した。その他の代表作に、「三十四丁目の奇蹟」(47年)「リオ・グランデの砦」(50年)などがある。

 71年より、20年近くにわたり女優業を休業。91年の映画「オンリー・ザ・ロンリー」で映画界に復帰し、95年の「クリスマス・ボックス」が最後の作品となっている。14年には、アカデミー名誉賞を受賞している。

 オハラさんは、78年に飛行機事故で死亡した元米空軍司令部のパイロットだった夫との間に、娘、孫、2人のひ孫がいる。ワシントンD.C.にある夫のお墓の隣に埋葬されるという。(ニューヨーク=鹿目直子)