気になる静岡県テレビ局のアナウンサーを紹介する連載「静岡アナ 気になリスト」。SBS(静岡放送)高木萌香アナ(23)の登場です。米ハワイで生まれ、テキサス州ダラス育ち。ミドルネームは「マーガレット」です。人もうらやむ美人バイリンガルですが、帰国子女ならではの苦労もあったようです。

 -米国育ちなんですね

 はい。父の仕事でハワイに5歳までいて、その後、テキサスで過ごしました。12歳から高校までは福岡です。両親は日本人ですよ。

 -家庭内は日本語で

 母が英語を話せないので、私はルー大柴さんみたいな感じで話していました(笑い)。学校ではずっと英語ですから、頭が切り替えられなくて。

 -日本に戻ったときは大変でしたか

 もう本当にダメで、親を責めたりもしました。文化もまったく違って。学校という環境がストレスでした。前を向いてずっと黙々と授業を受けることを「縛られている」と感じてしまって。「帰国子女」で、偏見を持たれることも嫌でした。「日本語も英語も両方できていい」と思われがちですが、絶対みんなどこかで苦労しているんです。苦労して勉強してるから、両方話せるようになっているんです。それに帰国子女って、生意気だったり、空気読めないとか思われがちですよね。そういう風に思われた上での「高木マーガレット萌香」でした。

 -苦労したんですね

 友達の冗談を聞いても面白くなかったり、逆に私がアメリカンジョークを言っても、それが失礼にあたって、ギクシャクしてしまいました。例えば、アメリカでは食べ過ぎたりすると「You are pig!」(ブタさんになっちゃった)と言ったりします。なので、ちょっとぽっちゃりしてる女の子に「ブタみたいね」って言ったら、その子は本当に傷ついてしまって…。周りからも「何なのこの子」みたいに敵視されてしまって。

 -ジョークのつもりが大変なことに

 アメリカだったら「oink oink」(ブタの鳴き声を示す擬音)で返したりするんですけど…。失敗をしながら、徐々に学んできた感じです。

 -そんな苦労しながらも、早くから日本でアナウンサーを目指していたとか

 そうなんです。テキサスにいた時、テロ(01年米同時中枢テロ)が起きて、ニュースを読むCNNのアナウンサーに憧れました。ただ、翌年に一時帰国して祖母とフジテレビを見学したことをきっかけに、日本のアナウンサーにひかれるようになりました。当時、(フジテレビのアナウンサーだった)高島彩さんがニュースを読みながらも、バラエティー番組にも出演されていて、「どっちもできて得じゃん」と。周りは「日本語もちゃんと話せないのに、アナウンサーなんて」と心配していましたが。

 -大学は国際基督教大(ICU)に

 大学でアメリカに戻りたい気持ちもありましたが、戻ると、日本でアナウンサーになれないと思ったので。じゃあ、アメリカの環境で学べる大学に行きたいと思ったら、先生が勧めてくれて。入学すると、周りもみんな自分と同じようなバックグラウンドの人ばかりで。初めて「友達」って呼べる友達ができたのは大学ですね。

 帰国子女ならではの苦労をしつつ、アナウンサーを志望。大学時代も一切、ブレなかったそうです。「その2」は「就活編」。採用試験を受験するために、初めて訪れた静岡の第一印象も明かしています。【柳田通斉、鈴木正章】(つづく)

 ◆高木萌香(たかき・もえか)1992年(平4)9月14日、米ハワイ州ホノルル生まれ。国際基督教大(ICU)教養学部卒。15年入社。担当番組は「イブアイしずおか」、ラジオの「You Gotta News~夕方ニュース~」「なつき&もえかの Ranking Paradise」。血液型A。