昨年12月に肺炎のため死去した俳優、作家でプロデューサーの安藤昇さん(享年89)のお別れの会が28日、東京・青山葬儀所で行われ、発起人を務めた俳優梅宮辰夫(77)が体調不良を押して参列したが、予定されていた囲み会見をキャンセルした。

 足元もおぼつかない様子で歩いて会場入り。献酒をする際もよろめきながら祭壇へ向かった。「昭和のスターが皆無のような状態になり残念です。寂しいです。今は、せんない(仕方ない)ことです。どうか、そちらの世界でもお元気で」。声を絞り出すようにあいさつすると、カートのような形の歩行補助器に両手をつき、体を預けながら、歩いて会場を後にした。

 所属事務所によると梅宮は最近、風邪が悪化。26日に病院に行ったところ、もともと肺炎になりやすい体質ということもあり、医師から2~3日の入院を勧められたほどだったが自宅静養していた。だが、会ではあいさつも任されていたため入院を拒否。映画「実録安藤組 襲撃篇」などで共演するなど、慕っていた兄貴分との最後の別れを選ぶおとこ気を見せた。

 会後の囲み取材で安藤さんとの思い出や脳腫瘍で休養中の友人・松方弘樹について語ると期待されたが、周囲から「顔色が悪い」と心配されるほど熱も上がり中止した。歩行補助器を使った理由について所属事務所は「腰痛もあったため」と説明。自宅静養を続ける見込みという。【森本隆】